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[WSJ] NVIDIA、x86プロセッサの開発を検討

» 2009年03月05日 10時21分 公開
[Don Clark,ITmedia]

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 米NVIDIAが、x86プロセッサ――米Intelの牙城である――を製造し、自社のほかの回路と統合することを検討していると明らかにした。

 同社はx86技術の開発を決定してはいないと強調し、そうした製品を出すことに決めたとしても、登場は2〜3年後になるだろうと示唆した。

 だがNVIDIA幹部がアナリスト向け説明会で明らかにしたこの計画は、同社がIntelともっと直接的に競争する方向へ向かっていることを新たに示すものだ。ともにカリフォルニア州サンタクララに本拠を置く両社は、長らく異なる市場セグメントを支配してきた。

 Intelはマイクロプロセッサ――コンピュータの電子頭脳――で最も知られ、プロセッサとシステムのほかの部分をつなぐチップセットも提供している。NVIDIAはグラフィックスチップセットで有名だが、最近チップセット市場にも参入している。

 NVIDIAは最近チップセット分野である程度の成功を収め、Appleが開発したコンピュータでIntelチップセットに取って代わっている。両社はまた、2004年に交わした特許ライセンス契約で、NVIDIAがIntelの最新プロセッサファミリー対応のチップセットを提供することが認められているかどうかをめぐり、デラウェアの裁判所で争っている。Intelは認められていないと主張し、NVIDIAは提供できると申し立てている。

 NVIDIAがx86プロセッサを開発すれば、これまで他社が入り込めなかった分野に踏み込むことになる。現在、Intel以外では米AMDとVIA Technologiesがx86プロセッサを製造している。

 NVIDIAはライバルからの圧力にさらされている。IntelもAMDも、x86プロセッサとグラフィックス回路を組み合わせたシステム・オン・チップ(SoC)製品の製造計画を明らかにしている。この種の製品は携帯電話の基幹部品であり、携帯型コンピュータにもこのアプローチは広がるだろう。NVIDIAは既に、「Tegra」という携帯機器向けのSoCを販売している。

 NVIDIAのIR担当上級副社長マイク・ハラ氏は3月3日、アナリストに「x86市場と同じアプローチを取ることは理にかなっている」と語ったと、同社の記録には記されている。「2〜3年後に、当社がSoC製品を提供しなければならないというのは筋が通っていると思う」と同氏は述べた。

 同社は同氏の発言がbit-tech.netやEngadgetなどのサイトで報じられた後、それをフォローする声明文を発表した。その中で、同社は「あらゆるトピックについて常に戦略的選択肢を検討している」と述べ、「この件については決定しておらず、スケジュールも設定していない」と付け加えている。

 Intelの広報担当者はこの件についてのコメントを拒んだ。

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