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米国1位のiPhoneアプリを作るには――日本のベンチャー・パンカクの挑戦(2/2 ページ)

» 2009年04月15日 10時44分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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iPhoneアプリを米国でPRするには

画像 YouTubeに動画を公開

 開発したiPhoneアプリを、米国で多くのユーザーに知ってもらうためにはどうしたらいいだろうか。同社は無料版公開時、米国のブログメディアにニュースリリースを送ったり、YouTubeにプレイ動画を公開してPRした。

 ブログメディア「Gizmodo」では、無料版を紹介する記事が、YouTube動画付きで掲載された。記事を見たユーザーからは「対戦できるところが面白い」「はまりそう」といった好意的なコメントが寄せられ、DL数も伸びていった。

 有料版を公開した時には、無料版に有料版へのリンクを追加した。有料版公開時、無料版には数十万人のユーザーがおり、リンクを経由して有料版をDLしたユーザーが多かったのではないかと同社は見ている。

 「セールと書かれたアプリにユーザーは飛び付く」――期間限定の値引きキャンペーンを実施したことも、ユーザー獲得につながった。「値引きする時には、App Storeに表示するアプリのアイコンを『セール』と書かれたものに変える」のがポイントだ。

iPhoneアプリで稼ぐ秘訣 「短期間で次々に」

画像 塚田副社長

 有料のiPhoneアプリは、売り上げの3割をAppleが取り、残りの7割が販売元の取り分になる。LightBikeは発売から1カ月で1700万円分を売り上げた。

 LightBikeの売り上げだけでは「会社全体が急成長するほどではない」が、「パンカクの名前を知ってもらうきっかけになり、次のアプリ開発につながる軌道に乗せられた」という。

 「iPhoneアプリは単価が安いものが多く、月額課金で積み上げられない売り切りのビジネス。本気で何カ月もかけて開発し、売れたとしても、企業にとってどうこうするほどの稼ぎではないかもしれない」――そのため、iPhoneアプリでもうけるためには「短期間で次々に開発していく」ことが重要だという。

 今夏公開予定の「iPhone OS 3.0」では、アプリ内での決済が可能になる。「ヒットアプリを大事に育て、アイテム課金などでユーザーに継続的にお金を使ってもらえるようになる。LightBikeの120万のユーザーが、大きな価値となる」と期待する。

 塚田副社長は、iPhoneの無料アプリに広告を掲載して稼ぐモデルも効果的だろうと話す。「LightBikeの無料版には120万人のユーザーがいる。Webサービスで100万ユーザーを獲得するのは難しいが、iPhoneアプリなら100万人に広告を打てる」

 同社は今後もアプリ開発に力を入れていく。「今後はiPhoneだけでなく、世界中の携帯電話向けに誰でもアプリを販売できる時代が来る」。Android向けのアプリの開発も進めている。

 「アプリ開発には優秀な開発者が重要。この機会に飛び抜けた才能の開発者をパンカクに集め、アプリ開発をもっと加速させていきたい」

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