NECエレクトロニクスは5月18日、「USB 3.0」に対応するホストコントローラLSI「μPD720200」を世界で初めて製品化し、6月初旬からサンプル出荷すると発表した。サンプル価格は1500円。量産は9月から、月産100万個規模でスタートする計画。
USB 3.0は、USB 2.0やUSB 1.1と互換性を持つインタフェースで、NECや米Intel、Microsoftなどが参加する団体「USB 3.0 Promoter Group」が昨年11月に規格の完成を発表した。
USB 3.0の最高速は「Super-Speed」と呼び、規格上の最大転送速度は、USB 2.0(High Speed)の約10倍となる5Gbps。Blu-ray Disc1枚分・25Gバイトのデータを転送する場合、USB 2.0は14分かかるが、USB 3.0なら70秒で済む。
USB 3.0は従来のUSBポートと形状は同じだが、USB 3.0専用に端子が追加される。このため、USB 3.0を利用するには専用ケーブルが必要。USB 2.0/1.1との互換性は保ち、USB 3.0ホストに従来のUSB機器を接続することは可能で、USB 3.0機器をUSB 2.0ホストに接続することも可能。ただし、USB 2.0機器をUSB 3.0専用ケーブルを使ってUSB 3.0ホストに接続することはできない(USB 3.0機器と専用ケーブルを使ってUSB 2.0ホストに接続することは可能)。
新チップは、早ければ今年末からPCに搭載される見通し。まずはPC向けに普及を進め、デジタルカメラやテレビなどAV機器、外付けHDDなど周辺機器での採用も呼び掛けていく。
同社の新津茂夫副事業本部長は、USB 3.0について「2010年に本格的に普及がスタートする。11年にはPCの3割以上の製品に搭載されるだろう」との見通しを述べた。
USB 3.0対応LSIは、PC向けだけで11年に1億4000万個(うち、チップセットを除くホストコントローラ単品は6000万個)、12年には3億4000個(同9000万個)が出荷される見通し。同社は、「ホストコントローラ単品で出荷している部分はほぼ100%のシェアを取れるのでは」(新津副事業本部長)とみている。
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