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8月11日に土星の輪“消失” 15年ぶり

» 2009年08月11日 11時47分 公開
[ITmedia]

 8月11日、土星の輪が“消失”する。15年に1度の現象という。

 土星の輪はちりと氷でできており、太陽の光を反射して輝いている。土星の自転軸はある程度傾いており、輪の表面に太陽光が当たるからだ。しかし29年に2回(約15年に1回)、地球の春分・秋分のように、土星の自転軸が太陽光線に対して垂直になる。このとき土星の輪は太陽から見て真横になるため、太陽光は輪の表面ではなく縁の部分に当たる。土星の輪の直径は17万マイル(約27万キロ)にも及ぶが、厚さはわずか30フィート(約9メートル)しかないため、薄い縁の部分に太陽光が当たっても反射されない。このため、土星の輪が消えたように見える。8月11日はこの春秋分点に当たるという。

 米航空宇宙局(NASA)は、通常の望遠鏡ではこの現象を観測するのは難しいとしており、「幸いなことに、われわれは宇宙船Cassiniを最前列に置いている」と述べている。Cassiniは5年前から土星を観測しており、今回の輪の消失の際には輪の温度を測定したり、春秋分点のときにしか見えない小さな衛星などを撮影する。

 また9月4日にも土星の輪の消失が起きる。このときは、地球から土星の輪が真横に見える位置関係になることが原因となる。

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