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1つの検索窓からあらゆるサービスを Baidu新戦略「Box Computing」

» 2009年08月21日 16時10分 公開
[ITmedia]
photo Baiduのロビン・リーCEO

 中国最大の検索サイト「Baidu.com」(百度)を運営するBaiduはこのほど、中国・北京で同社の技術や今後のインターネット業界について講演するイベント「Baidu World 2009」を開催した。ロビン・リーCEOは、今後展開するサービスのコンセプトとして「Box Computing」を発表した。

 Box Computingとは、キーワード検索に限らず、さまざまなサービスを1つの検索窓からワンストップで提供するという概念。「将来、PCやあらゆる端末から、検索窓に必要な情報を入力するだけで、ユーザーのニーズを自動識別し、最適なアプリケーションやサービスを提供できるようになる」(ロビン・リーCEO)という。

 この概念に基づくサービスとして、計算機能や辞書機能、カレンダー機能、地図機能などのサービスを提供する。例えばBaidu.comでは、検索窓に英単語や計算式を入力すると、単語の意味や計算結果を表示したり、「カレンダー」と入力すると、その月のカレンダーを表示する。地図では、出発地から目的地までの経路を表示するほか、ルートの渋滞情報なども表示する。

 検索窓に入力された文章や単語から検索の目的を探る語義分析、検索履歴やサイト閲覧履歴などたどって検索結果に反映する行動分析、ユーザーが検索語を間違えて入力した場合に正しい検索語候補を表示するなどの「知的インタラクション」がBox Computingを支える技術だ。

 さまざまなサービスをワンストップで提供するには、検索クエリーに対する適切な回答をデータベースに備えておく必要がある。Baiduは、同社のプラットフォームにデータを流し込むだけで、サードパーティや個人がBaiduの検索結果にデータを反映できるシステムも構築した。

photo にぎわう会場。約3000人が来場した

 企業や個人、サイトオーナーから情報を募集し、Baiduの検索結果として公開する「アラジン」というプロジェクトも進めている。これまでWeb上に掲載されていなかった情報「Hidden Web」を集めてユーザーに提供するもので、隠れた情報を掘り起こし、検索結果を充実させるのが狙い。現在は、為替レートの表示などで協力企業が提供したデータを公開している。「これまでに約2000〜3000社から応募があった。約60社のデータをすでに公開している」(ロビンCEO)という。

 Baiduには「成長の余地がたくさんある」という。「まだ成長期の初期段階。中国のインターネット市場も成長中で、ユーザーがインターネットを利用する時間も伸びている。3Gネットワークが普及していくにつれて、携帯電話でネットにアクセスするユーザーも増えていくだろう。中国語の情報量も増えていて、より多くのユーザーが欲しい情報を手に入れられるようになってきている」(ロビンCEO)

 2008年1月に正式スタートした日本語版「Baidu.jp」については、「今後の成長のポイント」とコメント。「より競争力のある、日本のユーザーに合った検索エンジンを提供していきたい」(ロビンCEO)としている。

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