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辞任申し出は「きょう突然」 富士通社長交代

» 2009年09月25日 21時31分 公開
[ITmedia]
photo 社長交代の経緯を説明する間塚氏

 9月25日付けで富士通の社長を兼任することになった間塚道義会長が同日夜に会見した。野副州旦前社長から事前の相談などはなく、辞任の申し出は「きょう突然」だったことを明らかにした。間塚氏は「緊急事態の影響を最小限にとどめることに全力を挙げる」として、兼任は「当面」との認識。今後、後任社長を決める方針だ(富士通社長交代 間塚会長が社長を兼任)。

 間塚氏によると、この日午前の定例取締役会前、野副氏から辞任の申し出があった。病気治療に専念したいという説明だったという。その後開かれた取締役会で当面の後任として間塚氏を推す声があり、就任を決議。正午に社長交代を公表した。

 間塚氏はシルバーウィーク前、野副氏と中堅企業市場向けの方針などについて話し合ったが、「その時は病気で辞任しなければならない状況とは思っていなかった」という。だがこの日会った際は「かなり疲れておられる感じはあった」という。

 野副氏の病気などの詳細についてはプライバシーにかかわるため明らかにできないとしたが、間塚氏は「具体的な病名は聞いていない」という。役員が辞任する際に診断書の提出などは義務付けておらず、野副氏の意志が固かったことから申し出を受け入れたと説明。「大変残念だ。あれだけ精力的にできる人はなかなかいない」と惜しんだ。

 間塚氏は「きょう突然の申し出であり、(野副氏は)非常に元気にやっておられたので、後任はあまり考えていなかった」「引き継ぎなども一切ない」と突然の辞任に戸惑いもうかがわせたが、社員に対しては「この難局を全員で乗り切ろう」というメッセージを出したという。秋草直之相談役からは「大変だが、きっちり進めてほしい」などとアドバイスを受けたという。

 後任の社長人事は、本年度下期に発足する予定の指名委員会で検討していく考え。間塚氏は「後任のイメージはまったくない。指名委員会でディスカッションしながら決めていきたい」と話した。

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