ソニーは11月19日、電子書籍リーダー市場で2012年度に世界シェア40%を目指す方針を明らかにした。米国で12月に発売する3Gワイヤレス通信対応モデルの受注が予想を上回っており、急速に拡大する市場に合わせてハードとコンテンツを拡充していく考えだ。
同社は04年に国内で電子書籍端末を発売したが、07年に撤退。だが米国でAmazon.comが「Kindle」を発売すると急速に市場が立ち上がり、追随する形で「Reader」を投入した。12月に発売する「Reader Daily Edition」(399ドル)はKindleと同様に3Gワイヤレス通信に対応し、電子書籍や新聞をダイレクトにダウンロードできるのが特徴だ(ソニーの電子書籍リーダー、予想以上の需要で納期に遅れも)。
同社によると、09年度の電子書籍端末市場は300〜400万台になる見通しで、50万台強だった昨年から大幅な拡大を見込んでいる。ソニーは優れたハードウェアにネットワーク、ソフトウェアを連携させることで付加価値を高める戦略を進めており、電子書籍端末とネット上の電子書籍ストア、PC用の管理ソフトが連携するReaderはソニー戦略の“優等生”。ネットワーク関連事業を担当する平井一夫EVPは「Readerが提供するものこそソニーらしい体験の1つだ」と話す。
この日は日本市場での再挑戦計画について明らかにしなかったが、10月末の決算発表会で、同社の大根田伸行CFOは条件が整えば国内展開もありうることを示唆している(ソニーの「LIBRIe」はなぜ“日本のKindle”になれなかったのか)
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