「宅配から“個配”を目指す」――ヤマト運輸は1月27日、荷物の受け取り日時と方法を受取人が指定できる「宅急便受け取り指定」を2月1日にスタートすると発表した。「荷物は家族ではなく自分で受け取りたい」というニーズが高いという。
新サービスでは、宅急便を配達する前に受取人あてにメールで配送予定を通知する。ユーザーは希望の受け取り日時と、受け取り場所を自宅やヤマトの直営店、勤務先などから指定する。
利用には、受取人が「クロネコメンバーズ」の登録会員であることが条件。送り主は、個人はWebか店頭の送り状発行サービスを利用するか、法人は法人向け出荷管理システム「B2」を利用して送り状を発行する必要がある。今後、手書きの送り状にも順次対応する予定。
宅配ドライバーが持つポータブル端末も刷新し、運賃と包装資材代の支払いが電子マネーに対応。「nanaco」「Edy」「WAON」が利用できる。新端末は今月から7月にかけて順次導入する。今後代引きの決済にも対応する予定だ。
新サービスは、同社が刷新した情報システム「次世代NEKOシステム」による取り組みの第1弾。ユーザー情報や地域ごとの属性などをフルデジタルデータ化し、情報をもとに個別ユーザーへのサービス提案を行うなどし、ニーズに合わせた配送サービスを目指している。配送先データベースなど、法人が持つシステムとの連携も可能だ。
同社の木川眞社長は、「宅急便を配達する時、『家族に渡すのではなく、自分に渡してほしい』という要望が増えている」と背景を説明。「宅配市場は飽和状態だと言われることもあるが、ユーザーのニーズを掘り下げ、商品開発すればまだ伸びる」と話している。
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