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出演者が消えたり納豆から菌が見える――ARで「ノイタミナ」新ラインアップをPR

» 2010年02月23日 14時00分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
photo 2010年からのノイタミナ作品ラインアップ

 画面に映った出演者がかどわかされ、納豆からは菌が見える――このほど開かれたフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」の新番組ラインアップ発表会は、作品内容にちなんだAR(拡張現実)を取り入れた異色のイベントになった。納豆やヨーグルトなどに付けたマーカーをカメラにかざすと、「もやしもん」でおなじみの菌が3Dアニメで飛び出すなど、ARで新作への期待を盛り上げると同時に、通好みなノイタミナらしさも醸していた。

 ノイタミナは、“連ドラのようなアニメ”をコンセプトに、大人でも楽しめるアニメを企画・放送する深夜アニメ枠。これまで、「のだめカンタービレ」や「東のエデン」「東京マグニチュード8.0」といった人気アニメを放送してきた。


 同枠では4月から10月にかけて、5本のアニメを放送する。4月にはバラ色の大学生活を夢見る主人公が京都の町を駆け回るアニメ「四畳半神話体系」と、誘拐を生業にする5人組を中心に江戸時代を舞台に描く群像劇「さらい屋五葉」がスタート。7月からは人気漫画を実写化したドラマ「もやしもん」と、月刊漫画雑誌「ジャンプスクエア」で連載中のホラーミステリー漫画を原作にしたアニメ「屍鬼」(しき)が、10月からは、漫画家・東村アキコさんの漫画を原作にしたアニメ「海月姫」(くらげひめ)を放送する。

photo もやしもんのARは、納豆やヨーグルトなどマーカーが付いた物にちなんだ菌が現れるというもの。タレントの加藤夏希さん演じる長谷川遥の靴をカメラにかざすと白癬菌が出るなど、原作ファンにとっても面白い仕掛けが

 発表会には、ARサービスを展開するクリエイティブ集団「AR三兄弟」も登場。さらい屋五葉の紹介では、カメラにマーカーをかざすと画面に映った出演者たちが消えたり、もやしもんにちなんで納豆やヨーグルトなどに付けたマーカーをカメラにかざすと、納豆菌やオリゼーなどの3Dアニメが登場するなど、それぞれのアニメにちなんだARを披露した。


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photo さらい屋五葉のARでは、マーカーをカメラにかざすと、紅葉が流れ落ちる映像が再生され、画面に映る人物が消えた。もう一度かざすと元に戻る
photo 四畳半神話体系のARは、カメラにマーカーをかざすと主人公のセリフが声と文字で再生

photo 海月姫では、白紙の単行本にコマが現れ漫画が描かれていく――というARを披露
photo 屍鬼では、AR用照射型ハード・ピコポンを利用。天井に設置された赤外線センサーに向けてピコポンを打つと画像が表示された

photo ピコポンを持つAR三兄弟の長男・川田十夢さん

 屍鬼では、プログラミングや拡張現実に関する情報を発信するWebサイト・工学ナビを運営する橋本直さんが開発したAR用照射型ハード「ピコポン」を使って天井に画像を映すというパフォーマンスを実施。ピコポンを天井に向けてトリガーを引くと、同アニメで声優を担当するGACKTさんの画像が天井に映し出された。

 ピコポンは、プロジェクターとWiiリモコンを組み合わせたデバイス。天井に設置したマーカー代わりの赤外線センサーを認識して距離を測り、プロジェクターを使ってあらかじめ設定した画像・映像を映し出す。

 カメラ越しに見るARが主流の中、プロジェクターで照射して画像や映像を見られるピコポンについて、AR三兄弟の長男・川田十夢さんは「次のARはこうなる」と、期待を込めて話していた。

 フジテレビ コンテンツ事業部の山本幸治さんは「ノイタミナ枠で放送されるバラバラのコンテンツを1つのラインアップとして見せたい」という思いから、ラインアップ化の工夫の1つとして発表会にARを取り入れたという。

 もやしもんには菌が見える主人公・沢木惣右衛門直保が登場する。「“直保アイ”というレイヤーを現実に重ねることで菌が見えるようになる。ある種のARだ」という。昨年放送の「東のエデン」にもARが登場しており、「ARは、東のエデンともやしもんをつなぐハブになる」としている。

 発表会では、TwitterとUstreamを利用したライブ配信も実施。Twitterではハッシュタグ「#noitaminaAR」を設定したほか、Twitterクライアント「Tweet Bubble」を利用し、会場のスクリーンにノイタミナ関連のつぶやきを表示していた。

 Ustreamは、“ダダ漏れ女子”として知られる「ケツダンポトフ」のそらのさんが担当。途中、Ustreamが落ち、発表会をいったん中止するという場面もあったが、有線でネットワークにつなぐことで復旧。2000人程度のユーザーが視聴していたという。

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