Cerevoは3月26日、撮影した写真を自動でWebにアップロードできる「CEREVO CAM」の新バージョンを発売した。同カメラを擬人化したキャラクター「CEREVOT」が起動・終了、シャッター音のかわりにしゃべるモデルだ。
擬人化キャラCEREVOTは、兄の「大戸あげる」と妹の「飯津シェア」の2人。兄の声は、アニメ「サザエさん」のあなご役で知られる声優・若本規夫さんが、飯津シェアの声は、アニメ「かんなぎ」のナギなどを演じた声優・戸松遥さんが担当する。ブラックとホワイトの2色展開で、ブラックには大戸あげる、ホワイトには飯津シェアの声が当てられている。
今年2月に予約を開始し、ホワイトモデルは30分で予約終了、ブラックモデルもすべて完売した。値段は2万2222円だ。ユーザーの要望もあり、増産を決定。予約方法などは、26日午後8時からUstreamで生配信する「CEREVOT発売イベント」で発表する。
そんなCEREVOTモデルが実際にしゃべっているところを見てきた。
ブラックモデルを起動すると部屋に響くのは「良い子のみんなっ。元気だったかなッ?」という若本さん――ならぬ大戸あげるの声。シャッターを切ると「うらぁぁぁッ!」「撮るぁーッ!」と声が上がる。
画像閲覧や削除の際にもコメントが付く。Wi-Fi接続中には「接続とはこれすなわち通信の確立なりぃ。てなわけで電波状況、見てくるぜいっ」といった長ぜりふも聞ける。
ホワイトモデルでは、起動時に「CEREVOTシステム起動! やっほー、シェアちゃんの登場だよーっ!」というかわいい声が響く。「はい、チーズ!」「せーのっ、にこッ☆」というシャッター音に加え、Wi-Fi接続中には「ぷっ…ぷりりん、はるるん、ぽわぽわりーん。接続試行…ちゅう…なんです…」、SDメモリーカードを差し込んだ時には「キャッ! んーもうっ、びっくりしたじゃない……」といったせりふまで言う。
セリフが響くとまずい場面では、音を消すことも可能。音量は、5段階で変えられる。
同カメラは、「“ネットのみんなと作る”をコンセプトに開発した」(同社の岩佐琢磨社長)。せりふやイラスト、同梱するステッカーの製作会社選びも、Webを活用したユーザーとのコミュニケーションを通じて決めていった。
キャラクターのせりふはTwitterで募集。同社で考えたものと合わせて、キャラクターごとに30種類以上のバリエーションがある。キャラクターイラストを描くイラストレーターもイラストSNS「pixiv」で探し、声をかけた。ステッカーの製作も「どこかステッカーを作ってくれる会社はないか」とTwitterでつぶやいた際に紹介してもらった企業に依頼した。
「開発のスパンが短いことや価格競争が激しいといった業界特性から、大手メーカーでは、ユーザーと対話しながらの製品開発は難しいように思う。せっかく日本はものづくりが強いのに、ユーザーの意志をくみながら一緒に開発できないのはもったいない。ユーザーに近い位置で、対話をしながら製品を作りたいと思っていた。今回の取り組みはその1つの形」
「ふまじめな理由なんですけど……」。そういって教えてくれた開発動機の1つは、アニメといったオタク文化が好きだったから。「そういう文化が好きな人が話題にできる家電がない。自分で提供したいと思った。車好きがたたって自分で車を作ってしまった――という感覚に近いと思う」
すでにCEREVO CAMを持っている人向けに今後、音声のダウンロード販売も行う。購入方法は26日のUstreamで発表する予定。価格は2599円。専用ステッカーも付くという。要望が多ければ、キャラクターを増やすなどの取り組みも検討するとしている。
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