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情報処理学会が将棋連盟に挑戦状 米長会長、「いい度胸」と受けて立つ

» 2010年04月02日 19時12分 公開
[ITmedia]

 情報処理学会の白鳥則郎会長は4月2日、トッププロと戦えるコンピュータ将棋が完成したとし、日本将棋連盟の米長邦雄会長に公開対局を望む挑戦状を手渡した。将棋連盟は「いい度胸をしていると」受けて立つ構え。対戦は秋ごろの予定。

画像 マジな挑戦状(ニュースリリースより)
画像 左から将棋連盟の米長会長、清水市代・女流王将、情報処理学会の白鳥会長(ニュースリリースより)

 情報処理学会の白鳥会長は、「漸くにして名人に伍する力ありと情報処理学会が認める迄に強いコンピューター将棋を完成致しました」などと筆文字で書いた挑戦状を、将棋連盟の米長会長に手渡した。米長会長は「いい度胸をしているとその不遜な態度に感服仕った次第」など筆文字の手紙で返答。清水市代・女流王位が受けて立つという。

 対局では、複数のソフトを疎結合で並列計算させ、それらの意見を集約して次の一手を決める合議アルゴリズムを使う予定。「GPS将棋」「Bonanza」「激指」「YSS」「TACOS」「柿木将棋」などから、実験をもとに最適な組み合わせを採用する。合議より単独が強ければ単独の可能性もあるという

 計算機には、東京大学、京都大学、筑波大学などの並列処理大規模計算機環境のグリッドを使う方向。バックアップとして、Xeonマシンを複数並列につないだ環境も整備する予定だ。プログラムと計算機は、対戦1カ月前までに決定する。

 コンピュータ側が勝利すれば、半年から1年ごとにプロ4段からトッププロ、最終的には名人か竜王と対戦する計画だ。

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