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ランダムビデオチャット「Chatroulette」にはまった夜

» 2010年04月12日 19時56分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 怖い物見たさでWebサービス「Chatroulette」(チャットルーレット)を試した。ロシアのモスクワに住む高校生が作ったという同サービスは、ランダムに当たった相手と、ビデオとテキストを使ってチャットできるサービスだ。

 Webカメラをつないでサイトにアクセスし、「New Game」と書かれたボタンを押せば利用可能。画面の左端は上下に分割され、上部には相手、下部には自分の映像が流れる。画面右はテキストチャットのエリアだ。当たった相手と違うユーザーと話したい、と思ったときには、画面上部に配置された「Next」ボタンを押せば、会話の相手を変えられる。

 前評判を見ていると、どうやら善良なユーザーだけでなく、衣服を脱いで登場したり卑猥な行為をする変態もいるようだ。ドキドキしながら「News Game」を押す。う、映った! おじさんがアイス食べてるよ! あっ、すぐにいなくなった……

 顔を映すのに抵抗があった記者は最初、手元のみ映して挑戦。えたいが知れなすぎるせいか、どんどん飛ばされる。切なくなったので、顔は出さないバストアップに変更。徐々に相手が反応してくれるようになった。

 初めて話した相手はバスローブ姿のおじさま。手を振ってみたら、すこし遅れて手を振りかえし、「ciao」と話しかけてくれた。すかさず「ciao」と返す記者。おじさんはしばし消え、画面に戻ったときに連れていたのは……犬のパグ! か、かわいい! なんだか暖かい気持ちになった。

 続いて話したのは、うつろな目をした北欧系の少年。ごあいさつで「hello cutie」と言われる。「キューティーだと!?」と浮かれた記者は、うっかり「ww」と日本文化全開の返事をしてしまう。もちろん通じるわけもなく、すぐに飛ばされた。

 続いて現れたのは美男美女カップル。男性は俳優のオーランド・ブルーム似、女性は奥に隠れてよく見えないが髪の毛はつやつやのサラサラだ。間違いない、美女だ。どうやらフランス人らしい。英単語を羅列するも撃沈。3分も持たず次に行ってしまった。

 ウワサの変態さんも現れた。全30組の映像が映ったが、そのうち3人が露出。部屋で1人「ギャッ」と叫びNextボタンを押す。1、2度目は焦ったが、3度目には慣れてしまった。24のうら若き乙女だというのに……自分が心配だ。パンツは履いていたが、それ以外は何も身に付けず、ひたすら足踏みを続ける太った若い男性なども登場した。

 中学レベルで英語の知識が止まっている記者。自分が話したい内容を辞書で引いているうちに、相手は次に行ってしまう。なかなか会話が続かず、非常に歯がゆい。

 次は記念すべき30人目。会話も続かないし今日はこれくらいでやめよう――そう思った時画面に映ったのは「ドラゴンボール」らしきアニメだった。祖国に帰ったような懐かしさを感じ、思わず「DRAGONBALL!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と入力。すると「Yes」と返事が。

 うれしさのあまり自分が日本人であると告げると帰ってきたのは「まじ!?」の4文字。え!? 日本人!?

 同郷の者を見つけたうれしさに会話は盛り上がる。が、明日は仕事。朝は早く、夜は更けた。そろそろこの場を去らねば……

 ランダムで相手が決まるため、1度チャットを切ると二度と会えない可能性がおそらく高い。別れとお礼を告げ、チャットを切る。何この半端ない切なさ……え、恋、恋なの!?

 そんなふざけたことを考えながら、眠りについた日曜の夜。記者としては、Chatrouletteの一期一会感がたまらなかった。もちろん変な人も登場するが、英語力向上も目指し、また試してみたいと思う。

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