「ソーシャルゲームが大成功した」――ディー・エヌ・エー(DeNA)が4月30日に発表した2010年1〜3月期連結決算は、売上高が前年同期比81%増の190億円、営業利益が2.4倍の98億円と急成長した。ソーシャルゲームの急拡大が、売り上げ・利益とも押し上げた。
10年3月期通期の連結売上高は前期比28%増の481億円、営業利益は34%増の212億円、純利益は43%増の113億円と、それぞれ過去最高を更新。「DeNAはまだまだ成長期。以前とは違うスケールの利益を生み出している」と南場智子社長は自信を深める。
主力の「モバゲータウン」で09年10月に内製ソーシャルゲームを投入。今年1月からゲームプラットフォームをオープン化し、他社製ゲームも導入した。10年3月末現在、オープンゲーム提供パートナーは59社、タイトル数は148。内製ゲームのmixiアプリへの提供も行っている。
10〜12月期のソーシャルゲーム売上高(mixiアプリ提供ゲームからの売り上げ含む)は35億円だったが、1〜3月期はその3倍・100億円(mixiアプリからの7億円含む)に急成長。モバゲーの総売上高(10年1〜3月期:139億円)に占めるゲームの割合は約7割まで上昇し、「ソーシャルゲームが売り上げの中心になってきた」
ソーシャルゲーム投入をきっかけに月間ページビュー(PV)も急拡大。09年9月は175億PVだったが、12月は380億PV、10年3月は616億PVと「日本最大級のPVを短期間で実現した」。PV急拡大を支えた技術者のスキルの高さも同社の自慢だと南場社長は話す。
低迷していたアバター販売も復調の兆しを見せている。09年10〜12月期のアバター売上高は14億円だったが、10年1〜3月期は18億円に。ソーシャルゲームの成功でアバター利用も活性化し、動きを付けられる新アバター「3Dアバター」の人気に火がつき始めているという。
今期(11年3月期)は「ソーシャルゲームを中心に、積極的に攻める年」。既存ゲームをブラッシュアップする一方、新規ゲームも投入していく。ソーシャルゲームメーカーなどをインキュベートするファンドへの25億円の出資も発表した。
「mixiモバイル」へのゲーム提供も強化。Facebookなどほかのプラットフォームへのゲーム提供も行う予定だ。英語圏と中国を中心に、ソーシャルゲームプラットフォームの構築も目指す。
ヤフーと提携して構築するPCサイト「Yahoo!モバゲー」や、NTTドコモとの合弁新会社でスタートするモバイルECサイト「E★エブリスタ」など新規事業にも力を入れる。
4〜6月期の連結業績予想は、売上高が前年同期比2.6倍の230億円、営業利益が3.5倍の110億円。「ソーシャルゲーム関連市場の予測が難しい」として通期の見通しは公表していない。
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