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ミクシィ初の配当 「我慢の時期」――mixiアプリ投資で通期減益

» 2010年05月12日 19時33分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 笠原社長

 ミクシィが5月12日に発表した2010年3月期(2009年度)の連結決算は、2けたの増収だったものの、営業利益は前期比27%減の27億5200万円にとどまった。「mixiアプリ」への先行投資やテレビCM費用がかさんだため。今期も横ばいにとどまる見込みで、笠原健治社長は「骨太なプラットフォームを構築するための我慢の時期」と説明する。

 売上高は前期比12.8%増の136億円、経常利益は29.4%減の26億7500万円、純利益は32.7%減の13億900万円。「長期保有の株主に還元したい」とし、初の配当となる1株当たり500円の期末配当を実施する。

 mixiアプリの広告は1〜3月期に2億7000万円売り上げたが、アプリのページビューやユニークユーザー数に応じて「広告収入の配分」という名目でアプリプロバイダーに支払う「アドプログラム」の費用が同期だけで4億5000万円に達し、差し引きで赤字が続いている。サーバ・回線費用も響いた。

 同期のmixiアプリからの課金収入は2億7000万円。アプリケーションプロバイダーや携帯キャリアの取り分を含めた課金の流通総額は約10億円という。

 登録制スタートと同時に展開したテレビCMには約6億円を費やした。CM・登録制効果で、10代や30代以上、地方のユーザーなど、mixiがこれまで弱かった層のユーザーが増えてきているという。

 3月末時点での登録ユーザー数は1985万人、月間ログインユーザー数は1386万人、月間ページビューはモバイルが280億、PCが53億、月間滞在時間(PCのみ、ネットレイティングス調べ)は3時間23分となっている。

 今期もmixiアプリやマス広告に継続投資。mixiの機能を外部のWebサービスや端末などで使える「mixi Connect」の展開を加速するほか、ソーシャルグラフ(マイミクシィ同士の人間関係)を利用して効果を高める広告「ソーシャルアド」の展開、海外展開の本格化などにも投資する(「mixi Connect」加速 API整理、多くのパートナーと協力へ)。

 今期の業績予想は、売上高が27.6%増の173億円、営業利益が0.6%増の27億7000万円、経常利益が3.2%増の27億6000万円、純利益が6.2%増の13億9000万円。

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