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人気ラノベに類似、作者が「参考」認める 電撃文庫の作品が絶版・回収

» 2010年06月08日 18時49分 公開
[ITmedia]

 アスキー・メディアワークスは6月8日、同社のライトノベル(ラノベ)作品について、作家が他の作品を無断で参考にして執筆した部分があったとして、この作品を回収し、絶版にすることを明らかにした。

 作品は、電撃文庫から5月に発売した哀川譲さんの「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」。作中の表現が、井上堅二さんの人気ラノベ「バカとテストと召還獣」(ファミ通文庫、エンターブレイン)と類似している部分があると読者から指摘があり、調べたところ、作品中の複数の箇所で他作品を参考にしていることが確認でき、哀川さんも認めたという。

 電撃文庫編集部は「この事態を重く受け止め」、同作品を出荷停止として回収、絶版とすることを決めた。6月10日発売の「電撃文庫MAGAZINE Vol.14」で発表予定だった哀川さんの短編作品の掲載も取りやめる。

 「俺と彼女が〜」はアスキー・メディアワークス主催の「第16回電撃小説大賞」で最終選考に残り、哀川さんのデビュー作として5月に発売し、発行数は4万5000。内容は評判を呼んでいたが、一方でネット上では他作品の文章と類似した箇所を並べて比較する検証画像などがアップされて話題になっていた。

 編集部と哀川さんのお詫び文を同社サイトで公表。哀川さんは「プロ作家としての意識の低さ、認識の甘さを深く反省しております」として謝罪し、編集部は「今後このようなことがないよう深く反省し、再発防止に努めていく」としている。

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