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「Adobeのパッチは不完全」――PDF悪用問題でセキュリティ企業が指摘

» 2010年07月05日 07時15分 公開
[ITmedia]

 Adobeが6月29日付でリリースしたReaderとAcrobatの更新版をめぐり、ベトナムのセキュリティ企業Bkisが「PDF仕様の脆弱性を修正したとするAdobe Readerのパッチは不完全だ」とブログで指摘した。

 Adobeが公開したReaderとAcrobat最新版のバージョン9.3.3には、PDFの仕様である「/launch」機能の脆弱性を解決するパッチが含まれていた。この問題は3月に発覚したもので、任意のコード実行に利用される恐れがあるとされ、脆弱性を突いたマルウェアも多数出回っているという。

 Bkisのブログによると、同社は問題が解決されているかどうか検証するため、この脆弱性の存在を証明するコンセプト実証用のPDFファイルをAdobe Reader最新バージョンの9.3.3で実行するテストを行った。

 その結果、ファイルを開こうとすると警告メッセージが表示されて問題のPDFファイルは開くことができず、一見、パッチが機能しているように見えたという。

 ところが悪用コードに少し手を加えると、警告メッセージは表示されたものの実行は阻止されず、「Open」をクリックするとファイルが実行されてしまったという。

 この検証結果を受けてBkisは、警告メッセージが改ざんされてしまう問題はAdobe Reader 9.3.3で解決したが、悪用コード実行の問題はまだ未解決だと結論付けている。

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