ミクシィの笠原健治社長は11月5日の決算会見で、ライバルのFacebookがmixiと連携したことを「歓迎する」と話した。mixiは「TwitterやFacebookよりうまく収益化している」と自信をみせながらも、今後の飛躍に向け、時間をかけてサービスの「ソーシャル化」を進めていくという。
Facebookは10月末にmixiと連携。Facebookに投稿した内容を、「mixiボイス」に反映できるようにした。mixiが公開しているAPIを使ったサービスで、「基本的にはどんどんやってもらいたい」という。
連携により、Facebookとmixi両方を使っている人がFacebookの利用を増やし、mixiにあまりアクセスしなくなるといったデメリットも考えられる。笠原社長は「メリット・デメリットはいろいろあるとは思うが、あくまで公開しているAPIを使った連携は、基本的にはウェルカム」と話している。
4〜9月期の連結決算は、前年同期はサービス前だった「mixiアプリ」の課金/広告売り上げが上乗せされた影響などで、売上高が前年同期比26.5%増の79億400万円に伸びた一方、テレビCMなどの費用がかさみ、営業利益は9.2%減の16億8900万円、純利益は23.6%減の7億1700万円にとどまった。
笠原社長によると、現状のmixiはまだ広告商品などを「ソーシャル化していない」状況。「バナー広告を中心とした旧来のビジネスモデルでやっているが、そのモデルの中では、TwitterやFacebookよりうまく収益化していると思う」と自信をみせる。
今後も機能を強化しつつ、ソーシャルグラフを生かした広告を導入するなど“ソーシャル化”を進め、SNSならではの新しいビジネスモデルを構築していく方針。mixiのソーシャル化が進み、売り上げにインパクトをもたらすまでには2〜3年かかるとしている。
FacebookやTwitterは「非公開企業だが、1兆円、2兆円といった高い評価額が付いている。ソーシャル化を前提とした評価額だろう」と笠原社長。mixiもソーシャル化することで、「今とは非連続な売上高になっていくのでは」と急成長を展望する。
今年に入って各サービスをリニューアルしたり、新機能を追加するなどmixiの再構成も進めている。
4月にリニューアルしたつぶやきサービス「mixiボイス」は、投稿数・ユニークユーザーとも「mixi日記」を超えるなど「mixiのメインコミュニケーション機能になった」。外部サイトのURLなど気になるトピックを共有できる「mixiチェック」はモバイルでの利用を中心に伸びており、位置情報と連動した「mixiチェックイン」の投稿数は200万を超えるなど、新機能も順調に伸びているという。
スマートフォン向け「mixi Touch」は100万ユニークユーザーを突破。Android端末の電話帳とマイミクを連携させるアプリ「ソーシャルフォン」もリリースした。スマートフォンは「mixiの可能性をより引き出せる」相性の良い端末とみており、今後も強化を続けていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR