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「書き手と読み手の字体の一致」を保証する「IVS」普及へ、MSやアドビなど協力

» 2010年12月06日 19時22分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトやアドビシステムズなど6社は12月6日、文字情報の相互運用性を向上させる「IVS」(Ideographic Variation Sequence)技術の普及を進める協議会を設立した。同じ文字コードで複数の字体が存在する文字などについて、「書き手と読み手が同じ文字を見ている」ことを保証するための技術で、OSからアプリケーションまで幅広く実装・普及を目指していく。

 「IVS技術促進協議会」は2社のほか、イースト、ジャストシステム、大日本スクリーン製造、モリサワが参加。会長にはISO/IEC JTC1/SC2国際議長を務める三上喜貴 長岡技術科学大学教授が就任した。

 IVSは、文字入力から伝達、表示・印刷まで、常に同じ字体であることを保証するための仕組み。Unicodeが定める字形選択子(Variation Sequence)を基に開発され、1つの文字コードに複数の字体が存在する漢字などの場合、Unicodeの各文字の後に字形選択子を付加することで、各文字が持ちうる字体を1つあるいは複数、あいまいさなく指定できる。

 文字にはさまざまな字体の違いが存在し、JIS2004(JIS X 0213)での字体変更や、OS、アプリケーションの違いなどの理由から、書き手が意図した文字と読み手が目にする文字が必ずしも一致しないという事態が起こる。住民基本台帳、戸籍には入力・表示ができない字体が多く含まれるなど、字体情報の正確な伝達は電子政府化や歴史的テキスト・文献の電子書籍化などにも欠かせない。

 協議会はIVS技術の普及を目指し、技術啓発や参加企業間での相互運用性の検証、事例紹介、共同マーケティングなど幅広く活動していく。

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