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「iPhoneの位置情報収集」をめぐり、Appleが公式見解

» 2011年04月28日 07時24分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米AppleのiPhoneとiPadがユーザーの位置情報を記録していたと伝えられた問題で、Appleは4月27日、「当社がユーザーのiPhoneの所在を追跡したことは一度もなく、追跡する計画もない」とする公式見解をWebサイトに掲載した。

 説明はQ&A形式で掲載され、この問題をめぐって不安が広がったことについて「ユーザーのセキュリティとプライバシーを守りながら、高速かつ正確な位置情報を提供するにあたり、非常に複雑な技術的問題が浮上した」「この新技術の開発者(Appleを含む)がこうした問題について十分な啓発に努めてこなかったため、ユーザーが混乱している」とした。

 そのうえで、iPhoneはユーザーの位置情報を記録しているのではなく、Wi-Fiホットスポットと携帯電話基地局のデータベースを維持しているものだと強調。GPSを使ってiPhoneの位置情報を計算するには数分の時間を要するが、iPhoneはWi-Fiホットスポットと基地局を使ってGPS衛星を迅速に見つけることで、これにかかる時間を数秒に短縮しているとした。この計算は、クラウドソースのデータベースを使ってiPhone上で実行しているという。

 クラウドソースのデータベースは膨大でiPhone上には保存できないため、各iPhone上に適切な量のキャッシュをダウンロードする仕組みになっている。研究者が発見した位置情報は、iPhoneの所在地ではなく、そのiPhone周辺のWi-Fiと基地局の位置情報だとした。Appleには匿名で暗号化された情報が送られるため、同社が情報源を特定することはできないとしている。

 ただしiPhoneが保存する必要があるのは7日間分のデータのみであり、大量のデータが保存されているのは不具合によるものだと指摘した。近くリリース予定のiOSのソフトウェアアップデートでiPhoneにキャッシュされるデータベースの情報量を減らし、キャッシュ情報のバックアップをやめるなどの修正を行う方針。また、iOSの次期メジャーリリースではキャッシュの暗号化も施すと表明した。

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