ヤフーとジェーシービー(JCB)は8月29日、EC分野とリアル店舗への集客支援などで業務提携すると発表した。両社でネット会員サービスのID連携を進めるほか、JCBブランドによる「Yahoo!カード」を発行。地域情報サービス「Yahoo!ロコ」を活用したJCB加盟店の集客支援も展開する。
国内ポータル最大手のヤフーと、約7000万のカード会員と718万の加盟店を抱えるJCBがそれぞれの顧客基盤を生かし、EC分野での利用拡大や、ネットからリアル店舗への送客を促す「O2O」(Online to Offline)を活性化。ユーザーの利便性と店舗の集客力向上を図るとともに、将来はスマートフォンを活用した決済環境の整備も図っていく。
具体的には、10月からJCBの会員専用ネットサービス「MyJCB」のIDと、Yahoo!JAPAN IDを連携。JCB会員は新サービスに登録すると、MyJCBの情報がYahoo!ウォレットに自動登録され、またJCBの「Oki Dokiポイント」をYahoo!ポイントに移行できるようになる。Yahoo!ウォレットを使った決済を容易に利用でき、JCBカードを使ってためたポイントをYahoo!JAPAN内で買い物などに使えるようになる。
来年5月には新しいYahoo!カードの発行を開始。Yahoo!ショッピングやスマートフォンでの利用の際にポイントの付与を優遇する。
ヤフーが6月から展開しているYahoo!ロコでは、店舗に提供している「Yahoo!ロコ プレイスページ」へのJCB店舗の登録を促し、クーポン発行機能などを活用した集客を支援していく。一般ユーザーに対しては、Yahoo!JAPAN IDの利用履歴とJCBカードの購買履歴を活用、好みに合わせた情報をスマートフォンに配信していく。
将来は、JCB加盟店で非接触IC搭載スマートフォンに対応した決済端末を導入し、Yahoo!ポイントやYahoo!ウォレットで買い物や飲食の支払いができる決済環境を整えていく考え。スマートフォン向けに店舗のお得な情報をタイムリーに配信するなど、スマートフォンを起点にしたリアル連携も進めていく。
ヤフーの喜多埜裕明COOは、ヤフーは自らのメディア力を、JCBは加盟店ネットワークを生かし切れてないとみて、両社の強みを組み合わせることでECの顧客拡大とリアル店舗の活性化を図っていくとした。JCBの松本直樹副社長は「全国718万の加盟店に対しYahoo!ロコにどんどん登録してもらうのが一番の仕事。お客にはクーポンなどでお得な情報が、加盟店には送客効果があり、両方がうれしい取り組みになる」としている。
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