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最後のスペースシャトル「アトランティス」輸送 展示場に設置へフォトリポート

» 2012年11月09日 17時10分 公開
[Gerald Matulka, 森岡澄夫(超電磁P @chodenzi),ITmedia]

 引退したスペースシャトル「ディスカバリー」と「エンデバー」はこのほど、ボーイング747に載って博物館へ空輸されたが、最後まで残っていたアトランティスが、ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)のビジターセンターに建設中の展示場へ輸送された。これでNASA(アメリカ航空宇宙局)におけるスペースシャトル整備業務は完全に終了となった。

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 アトランティスはシャトル組み立ての行われていた巨大な工場(VAB)に保存されていたが、11月2日の早朝に引き出され、巨大な専用トレーラーに載って陸路で輸送された。アトランティスが運ばれていく道は、宇宙飛行士が打ち上げ日にシャトルへ向かうために通っていたのと同じ道で、筆者もケネディ宇宙センターのプレスサイトへ行くためにいつも走っていた。計5車線もある広い道なのだが、そこを占めるシャトルの大きさが分かるのではないだろうか。


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 シャトル輸送の途中に、アトランティスを扱う権限をNASAからビジターセンターへ委譲するセレモニーが行われ、NASA長官や過去にアトランティスで飛んだ宇宙飛行士達を含め、多くのギャラリーが詰め掛けていた。


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 展示場へのアトランティスの設置が終わって、一般に公開されるのは来年夏の予定である。ディスカバリーやエンデバーと異なり、アトランティスは胴体のペイロードベイ(貨物室)、ドアを開け、43.21度傾けたユニークな形で展示される。

 ところで、アトランティス胴体に黄色のバーが付いているのにお気づきだろうか? これは展示のためにペイロードベイ・ドアを地上重力下で開けると、ドアが自重を支えられないので、補強するための器具である。シャトルはそれくらいギリギリの華奢な作りになっているのだ。また、窓ガラスにもカバーが取り付けられているが、内部は写真(Matulka氏が実際に搭乗して撮影)のようになっている。展示される時にはコクピット内が伺えるようになっていると素晴らしい。


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