ITmedia NEWS > ネットの話題 >

厳しい状況、どう立て直す ミクシィに新執行役員 元はてな副社長の川崎氏など(2/2 ページ)

» 2013年01月24日 15時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]
前のページへ 1|2       
画像 ユーザーが機能要望を寄せてほかのユーザーから投票を募ったり、ミクシィ運営側に要望を伝えられる「mixi機能要望」

 その一環として昨年12月、「足あと」機能を実質的に復活させた。足あとを廃止した当時は、「足あとが付くのが気になって他人の日記を見に行きづらい」という声や、業者による“足あとスパム”といった迷惑行為に対応するためと説明。ユーザーから巻き起こった足あと廃止反対の声を押し切り、廃止に踏み切った。

 だが足あと廃止によって、友だちリクエストや日記の投稿・閲覧数が減少するなど、ユーザー間のコミュニケーションが目に見えて減少。「足あとを失ったことで、mixiでコミュニケーションするモチベーションが下がるなら本末転倒。結果を見て、再度リアルタイムに表示することを判断した」と、廣木さんは足あと復活の理由を説明する。

 足あと復活により、足あとが好きなユーザーの思いは満たされたが、足あとを嫌うユーザーには我慢を強いたことになる。「ユーザーファースト」を掲げるといっても、どのユーザーの声に応え、どのユーザーには我慢してもらうのかの判断が必要だ。

 「ユーザーからの提案にも相反する主張はあり、すべてに応えるのは不可能。すべての人に心地良いつながりをという価値観を維持しつつ、より多くのユーザーに喜ばしい場所にすべくわれわれから提案し、サービスの中での一貫性を保っていく。ユーザーに価値を与えるのが第一、という価値観に立ち戻る」(廣木さん)

 ミクシィは、どういったユーザーを“ファースト”に考えていくのだろうか。まずは既存ユーザーを大切にし、新規ユーザーの獲得はいったん置くという方針なのかとたずねると、「mixiを使った時、心地良いコミュニケーションというmixiの価値を感じる方がターゲットユーザー。価値のあるプロダクトを提供すれば、その結果、新規ユーザーにも使ってもらえるだろう」と廣木さん。ターゲットを絞らず、できるだけ多くの人に使ってもらいたい考えだ。

 これまでは、サービスの維持・廃止を決める基準や期間に「甘かった部分があったかなと思う」と川崎さん。昨年9月にスタートした新規事業「Petite jete」を半年で終了したり、コナミデジタルエンタテインメントと共同で開発したスマートフォン向けコミュニケーションサービス「mixiパーク」も7カ月で終了を決めるなど、など判断スピードアップ化を図っている。

「Livlis」「Clipie」は継続 mixiと連携へ

 川崎さんは、ミクシィの執行役員とkamado社長を兼任。同社で運営していた、Twitterを通じてものをあげたりもらったりできるサービス「Livlis」(登録ユーザー数5万人)と、Facebookと連携したビジュアルブックマークサービス「Clipie」(同数千人)は継続する。

 それぞれ「ビジネスモデルはまだ確立していない」(川崎さん)状態で、事業としては赤字だが、mixiと連携させ、成長を目指していく。「Livlisは、mixiの『あげます&ください』コミュティを見て作ったのでmixiとの相性の良さは知っている。mixi IDでログインできるようにするなど普通の連携にとどまらず、面白い連携をしたい」(川崎さん)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.