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目指したのは「ようかん」 前面キーのない新「INFOBAR」、「指先でクラウドに触れる」UIに

» 2013年01月24日 19時19分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 「クラウドに触れる、新しい感覚を」――KDDIは1月24日、デザイン性を重視した携帯電話・スマートフォンブランド「INFOBAR」の新製品として、クアッドコアのチップセットを搭載し、SNSなどクラウド上のコンテンツを利用しやすくした「INFOBAR A02」(台湾HTC製)を2月中旬以降に順次発売すると発表した。

 INFOBARシリーズの特徴だった前面のハードウェアキーが廃止されるなど、一見してINFOBARとは分かりづらいデザインに。ユーザーインタフェースは、コンテンツのパネルを自由に配置できる独自の「iida UI」をブラッシュアップして搭載し、パネルに触れるとまるでゼリーのようにぷにぷに動く独特の仕組みを備えた。

 プロダクトデザイナーの深澤直人さんとインタフェースデザイナーの中村勇吾さんが協力し、ハードウェアからUIまでを総合的に設計。パネルを動かす時に鳴る音や目覚ましアラームの音などのサウンドデザインは、ミュージシャンの小山田圭吾さんが手がけた。


画像画像 INFOBAR A02

 前面には4.7インチのディスプレイのみを搭載し、側面と天面に音量ボタンや電源ボタンなどを配置。クアッドコアチップセットと2100mAhのバッテリーを搭載し、前モデル「A01」で不評だった“もっさり感”や電池持ちの悪さの解消を目指した。4.7インチディスプレイをフロントパネルに大きくあしらい、アルミフレームを採用。背面カラーは「NISHIKIGOI」(レッド)、「ICE GRAY」(グレー)、「AOAO」(ブルー)の3色から選べる。

 iida UIを採用。よく使うアプリのウィジェットをパネル化して配置したり、TwitterやFacebookのタイムラインに流れてきた写真やテキストを表示したり、Flickrなどオンラインサービスに保存した写真を表示するといったことが可能だ。FacebookやFlickrなどオンラインサービスと連携させることで、「クラウドに触れる新しい感覚が味わえる」と、同社の田中孝司社長は話す。


画像 トップページには、アプリのアイコンやウィジェット、友人のアイコン、楽曲の再生画面、SNSのタイムライン、写真などのパネルを自由に配置できる
画像 パネルの挙動には、ゼリーの物理的な挙動をシミュレーションするアルゴリズムが組み込まれており、画面をスクロールしたりパネルを動かすと、パネルはゼリーのようにぷにぷに動く

 アドレス帳に登録した友人の写真をパネル化し、ワンタッチで電話やSMSを送ったり、好きな楽曲や動画のパネルを置き、ワンタッチで再生するといったことも可能。パネルは簡単に拡大・縮小したり、配置を入れ替えたりでき、「触れるたびに、今の自分の思いをアップデートできる」(田中社長)。パネルは、配置を換えたり画面をスクロールする際、粘りのあるゼリーのようにプニプニ動く。

画像 田中社長

 「2001年、初代INFOBARを出した時、ケータイはもはや電話ではなく情報のバー、『棒』がふさわしいという意図でネーミングした。情報があふれるクラウド時代のスマートフォンは、情報との向き合い方をデザインしなくては」。田中社長は新INFOBAR A02の意図をこう説明。「写真や音楽、動画、電子書籍、SNSなどスマホならではのサービスを、普通の人にもより使いやすくという観点」(同社プロダクト企画本部の砂原哲さん)で設計したという。

 深澤さんによると、従来の携帯電話は、中身である「あんこ」と、それを包む皮の部分「もなか」を別々に作って組み合わせていたが、A02は、中と外が一体化した「ようかん」のようにデザインしたという。ようかんのようなデザインは、「当初からINFOBARが目指し、長年イメージしていたもの」で、A02は「完成度も高い」と自賛する。中村さんは、ユーザーに自由にパネルを並べ替えてもらい、「自分のスマートフォンを自分でデザインするという意識をもってほしい」と話していた。

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