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子供部屋から男の声――ベビーモニタの不正侵入が発覚

» 2013年08月15日 07時29分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米テキサス州で、両親が子供の見守りに使っていたベビーモニタが不正侵入される事件が発覚し、インターネットに接続して使うカメラの映像が簡単に流出してしまう実態が浮き彫りになっている。米ABC Newsなどが伝えた。

 ABCによると、同州ヒューストンに住むマーク・ギルバートさんは、ある日2歳の娘の部屋から不審な物音がするのに気付き、妻とともに様子を見に行くと、娘に向かって悪態をつく男の声が聞こえた。部屋に入ると、男の声はギルバートさんと妻に対しても汚い言葉でののしり始めたという。

 すぐにベビーモニタのスイッチを切って調べた結果、ルータとカメラが不正侵入されていたらしいことが分かった。侵入者は壁に書いてある娘の名前を見て、その名前で呼び掛けていたが、幸い娘は眠っていて気付かなかったという。

 ベビーモニタなどの装置に使われている無線信号は、自宅の外でも傍受できてしまうことがあると専門家は指摘する。ABCは試しにベビーモニタのビデオレシーバを車に積んで周辺一帯を走らせたところ、あちこちから子供や室内の様子を映した映像が受信できたと伝えている。

 英BBCによると、ギルバートさんが使っていたのは中国のメーカーFoscam製のベビーモニタで、4月に脆弱性が発覚してメーカーがファームウェアのアップデートで対処していたという。

 Foscamのカメラについては、不正侵入の方法についてインターネットのフォーラムで活発に情報が交換されているとBBCは伝えている。Foscamの製品に限らず、こうしたカメラに使われているインターネットアドレスや、「保育園」「子供部屋」といった場所の一覧を掲載しているフォーラムもあったという。

 Foscamの同製品はデフォルトのユーザー名が「admin」で、パスワードは設定されていない。この設定を変更しないまま使い続けているユーザーが多い実態が以前から指摘されていたとBBCは伝えている。

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