4人組エアバンドのゴールデンボンバーが8月20日に発売するシングルCD「ローラの傷だらけ」で、“特典ゼロ”に挑戦する。CDは楽曲のみを収録し、ジャケットは真っ白。写真や映像特典、握手会チケットなども付けない。
「したかったのは、このCDを買うという行為=曲(歌)のみを買うという行為」――ボーカルの鬼龍院翔さんが7月7日、自身のブログで特典ゼロの意図を語った。
売り上げは、さまざまな特典を付けて4形態で販売した前回のシングル「101回目の呪い」の5分の1となる3万枚程度に落ち込む見通しだが、売り方のPRも大々的に行い、より多くの人に「CDとは、音楽とは」を考えてもらうきっかけにしたいという。
CDには「ローラの傷だらけ」「片想いでいい」「愛について」の3曲とそれぞれのカラオケバージョンを収録し、461円(税別)で販売。通常版1形態のみの販売で、「どこで買ってもCD以外の何の特典も無い」という。歌詞はジャケットの裏面に記載されている。
「誰かを批判したいとかいうわけではなく、CDというものの価値が以前と全然違うものになっていることを知って頂きたくて」と鬼龍院さんは訴える。
鬼龍院さんは1984年生まれ。「CDがバカ売れしてきた90年代を生きてきた僕らは今はCDが売れない時代と言われつつもどこかCDが売れることを願っている」が、「今消費されるCDは特典の方に需要が傾き、収録された音楽、歌のほうがオマケのようになってしまっている」と打ち明ける。
「CDに音楽以外の特典を付けて売ってるのはアイドルだけじゃない」「僕はCDに握手の特典を付けるのを辞めたい」とも。「音楽以外が目玉となったCDを売るほうが(写真集を出して握手会するより)ミュージシャン自身はモヤっとする」が、「純粋に音楽を売りたい、けどそうはいかない現状で戸惑いながらみんな音楽活動をしている」という。
今年1月1日に発売した前回のシングル「101回目の呪い」は、ランダム封入のカードジャケットと特典DVDを付けた「初回限定版A」(税込1728円)、グッズと特典CDを付けた「初回限定版B」(同)、特典CDを付けた「通常版」(1080円)、ダウンロードシリアル付きミュージックカード(大吉〜大凶のおみくじ1枚入り、648円)の全4タイプを販売しており、通常版と初回限定版にはツアーと握手会の応募ハガキが付いていた。
「101回目の呪い」の初週の売り上げは15万8000枚。「ローラの傷だらけ」は現状、予想プレス数が3万枚と、前回の約5分の1になる見通しという。
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