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au冬モデルは“ガラケーユーザー”に照準 鈍化するスマホシフト、再加速なるか(2/2 ページ)

» 2015年01月19日 18時15分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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スマホシフト加速へ「聖域なき商品開発」 ガラホは“悪ノリ”

 auの昨年9月末時点でのスマホユーザー率は52%。田中社長が掲げる「70〜80%」にはまだ遠く、スマホシフトのスピードは鈍化している。スマホ移行率が特に低いのはシニア層とジュニア層。冬モデルで両者のスマホシフトを加速させる狙いだ。

画像 14年7〜9月期決算発表資料より。スマホユーザーの増加スピードは鈍化している

 そのために「聖域なき商品開発を行った」と田中社長は言う。フィーチャーフォンにとどまっているユーザーには「ガラケーでいいと思っているのではなく、スマホを使いたいけど踏み切れない」人も多いとし、初心者にも使いやすい「BASIO」「miraie」「AQUOS K」を開発、割り引きプランも用意した。

 「AQUOS K」は「悪ノリ」で開発した面もあるという。「もう一度原点に戻って、auって面白いことをするよね、と思ってもらえる会社にしたい」という思いも吐露する。

 シニア向けスマホはNTTドコモやソフトバンクモバイルがすでに発売しており、auは最後発だ。「シニアもジュニアもだいぶ前から検討し、何度もプランをアップデートしてきた。ユーザーに受け入れてもらえるのでは、というところまで企画に時間をかけた」と田中社長は説明する。

 フィーチャーフォンの新機種や「ガラホ」投入からは、スマホに決めきれない“迷い”も見える。今後のauでのフィーチャーフォンの扱いについて田中社長は「はっきり決めてないのが本音。お客さんが『(スマホではなく)ガラホでもいいんだ』ということであれば、そっちに大きくシフトすることはあると思うが、どっちにするかまで最終判断していない」と話すにとどめた。

機種変時に残債ゼロ “au大好きプログラム”で流出防ぐ

 「auならどんどん機種変できる」――ユーザーが18カ月ごとに最新機種に機種変更できるようにする「アップグレードプログラム」も発表。端末を18カ月以上利用しているユーザーが機種変更する際、分割支払金の残額を無料とするプログラムで、田中社長は「完全に得です」と胸を張る。

 「ずっとauを選んでいただきたいという思いで、私は勝手に“au大好きプログラム”と呼んでいる」と田中社長。格安スマホが人気を集め、SIMロック解除の義務化が決まるなどスマホをめぐる競争が厳しくなる中、ほかのキャリアに“浮気せず”、auを使いつづけてほしいという思いがあるようだ。

画像 左から発表会MCの平井理央さん、CMキャラクターの桐谷健太さん、松田翔太さん、濱田岳さん、田中社長

 「今年は“新しい自由”auのイメージをもう一度打ち出していきたい」とも。年始から放送している「新しいau」のテレビCMは、好感度ランキングで1位を獲得したという。発表会には、CMに登場する「桃太郎」「浦島太郎」「金太郎」の格好をした俳優の桐谷健太さん、松田翔太さん、濱田岳さんが登場。「撮影はとても自由で、アドリブが多い」などと裏話を明かした。

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