米議会の政府監査院(GAO)は4月14日、次世代化が進む航空輸送システムについて、航空機が不正アクセスを受けて制御される可能性が強まっていると警告する報告書を発表した。米航空運輸局(FAA)はサイバー攻撃を防ぐために包括的な対策を強化する必要があると促している。
報告書では航空機の操縦に使われる航空電子システムについて、IP接続を含む現代の通信技術が使われるようになったことに伴い、客席などから不正アクセスされる潜在的な可能性が生じたと警告。「コックピットの航空電子システムはファイアウォールに守られているが、ファイアウォールは他のソフトウェアと同様にハッキングが可能であり、(悪意を持つ)ユーザーがファイアウォールをかわして客席からコックピットの航空電子システムにアクセスできてしまう恐れもある」とした。
航空管制システムについても、FAAがサイバー攻撃から守るための対策を講じたと報告されていたにもかかわらず、「依然としてセキュリティコントロール上の重大な弱点が残され、妨害を受けない安全な運航を保証するFAAの能力が脅かされている」と結論付けた。
こうした現状に対応するため、FAAは情報セキュリティの統括部門を設置するなどの対応を講じているという。しかし組織全体で連携してサイバーセキュリティに取り組む態勢が整っていないとGAOは指摘し、改善を求めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR