米新興企業Brave Softwareは1月20日(現地時間)、オープンソースのWebブラウザ「Brave」(バージョン0.7)を発表した。Windows、OS X、iOS、Android版を登録式のβでリリースした。利用するにはWebサイトから申し込む必要がある。本稿執筆現在、申し込むとウェイティングリストに登録され、すぐにはダウンロードできない状態だ。
公式サイトの説明によると、Braveはサードパーティーによるクッキーやトラッキングをブロックし、広告もほとんど表示させないことで、ページ読み込みをブロックしない状態より60%高速にするという。
また、Firefoxアドオン「HTTPS Everywhere」を統合しており、ユーザーは目的のWebサイトにHTTPS接続できる。
米AppleがiOS 9に広告ブロック機能「コンテンツブロッカー」を追加したことを契機に、Webブラウザでの広告ブロックをめぐる論争が続いている。iOSアプリ開発者のマルコ・アーメント氏は、広告ブロックアプリは「攻撃されるべきではない人々を傷付ける」として人気アプリをApp Storeから取り下げた。米Googleの幹部は、広告ブロックは不要なものを排除するだけでなく重要なもの(コンテンツプロバイダーの収入)も犠牲にしてしまうので、容認できる広告プログラムの構築が必要だと主張した。
Braveブラウザではこの問題を、独自のシステムで適切と判断した広告だけを表示することで解決しようとしている。Braveはユーザーの操作を適切な広告表示のために追跡はするが、データを保存することはないとしている。
The Vergeによると、Braveはこの広告システムでの収益を、パブリッシャー、ユーザー、ネットワークパートナー、Braveに配分する計画という。そのためのシステムを現在開発中だ。
Braveは、JavaScriptの父として知られるブレンダン・アイク氏が2015年に立ち上げた非公開企業。アイク氏は1998年にミッチェル・ベイカー氏とともにMozilla.orgを立ち上げ、2014年3月にCEOに就任したが、同年4月に辞職した。
BraveブラウザのリソースはGitHubで公開されている。
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