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楽天モバイルに「5分かけ放題オプション」 150カ国対応「海外SIM」も

» 2016年01月28日 18時18分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 楽天は1月28日、MVNOサービス「楽天モバイル」のユーザー向けに「5分かけ放題オプション」と「楽天メール」の提供を始めた。3月10日からは、海外渡航者向けの「楽天モバイル 海外SIM」もスタートする。

photo 「楽天モバイル」の公式サイトより

 「5分かけ放題オプション」は、通話アプリ「楽天でんわ」を使って、5分以内の国内通話を月額850円(税別)で回数制限なく利用できる。「楽天モバイル」契約者限定のオプションで、通話が5分を超えた場合は、30秒当たり10円(税別)の通話料が発生する。

 同社の平井康文副社長は「携帯電話の通話時間の約93%が5分以内だ」と指摘し、「通話料金を抑えたいユーザーのニーズに応える」と胸を張る。

photo 5分かけ放題オプション
photo 大手キャリアとの料金比較

 「楽天メール」は「@rakuten.jp」ドメインのメールを無料で使えるサービス。メールボックスは15Gバイトまで保存できる。「楽天銀行」「楽天カード」「楽天証券」「楽天生命」といった金融サービスの利用開始時には、認証用アドレスにも利用可能だ。

 Android専用のアプリを使ったメール作成、送受信もできるほか、フィーチャーフォンの利用者向けに、絵文字やデコレーションメールにも対応する

 「楽天モバイル 海外SIM」は、海外渡航者向けのプリペイドSIMカードだ。「楽天モバイル」の契約者でなくても、世界190カ国以上で通話やデータ通信を行える。初期費用は、SIMカード代の3000円(税別)が必要で、あらかじめ30Mバイトの容量がチャージされる。

 事前にアクセスポイント(APN)を設定。入国時に自動で電波を発信し、3GやGSMなど現地のネットワークを利用できる。料金プランはエリア別に異なり、地域ごとに一定額が掛かる「地域別パック」、広域な国で利用分だけ請求される「クレジット」の2種類を用意する。

photo 楽天モバイル 海外SIM
photo 大手キャリアとの料金比較
photo ハワイ旅行を想定したケース

62%が通話SIMも利用 2台目ではなく「プライマリーなスマホ」に

photo 平井康文副社長

 平井副社長は、格安スマホの認知度が約78%に高まり、総務省のタスクフォースも前進が見られるなど「2015年はMVNO元年だった」と振り返る。市場拡大を見込み、回線スピードの強化や価格面の調整を図る一方、タッチポイントや直営店も増やし、楽天市場と連携したO2O(Online to Offline)戦略を拡大させる。

photo リアル店舗を拡大

 過去1年間で、ユーザー数に占める20〜30代の割合が約30%から50%に拡大したという。家族単位の契約比率も増加傾向にあるといい、平井副社長は「もともと“テッキー”な市場から拡大を見せたMVNOだが、ユーザー層の多様化を感じる」と現状を語る。

photo 20〜30代の割合が約50%に
photo 家族での契約比率も増加

 契約者のうち、約62%が通話SIMを使っており、約72%が端末も同時購入しているという。「従来の格安スマホは、データ通信用の第2、第3のデバイスとして使われる傾向にあるが、楽天モバイルは自身のプライマリーなスマホになっているようだ」(平井副社長)と、他社と比べた強みを説明する。

photo 約62%が通話SIM、約72%が端末も同時購入

 今後は20〜30代をターゲットに、楽天市場や金融サービスなど同社のさまざまなコンテンツと連携し、「新サービスの拡大によって、モバイルライフスタイルを演出していきたい」(平井副社長)とした。

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