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宮城県沖地震、間隔が短くなる? 3.11地震の影響、JAMSTECがシミュレーション

» 2016年05月27日 19時38分 公開
[ITmedia]
photo 同機構のシミュレーションより。M9.1の地震による「すべり」分布(暖色)と、地震後の約3年間で生じるゆっくりとしたすべり(余効すべり)の分布(青線)。

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響で、次の宮城県沖地震が起きるまでの間隔が短くなる可能性がある――海洋研究開発機構(JAMSTEC)が5月20日、スーパーコンピュータを使ったシミュレーションの結果を発表した。

 宮城県沖では、マグニチュードが7程度の地震が30〜40年おきに繰り返し発生している。2011年1月の時点では「M7.5前後の地震が30年以内に発生する確率は99%」(地震調査研究推進本部)としていた。だが、11年3月の地震(M9.0)で広い領域のプレート境界で大きな「すべり」が発生し、どのような影響があるか把握できず、発生間隔や確率は「不明」となっていた。

 同機構がスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使い、地震発生のサイクルを計算したところ、M9クラスの地震が発生する前の平均再来間隔の半分より短くなる可能性が分かったという。一定の強度を超えると地震が発生するとされる応力の蓄積が速まったためと考えられる。

 今後はシミュレーションの精度を高め、日本海溝や南海トラフでの地震発生に備え、さまざまなモデルを検討していくという。成果は、英科学誌「Scientific Reports」に、5月10日付(日本時間)で掲載された。

photo 次の宮城県沖地震が発生する時期をシミュレーション

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