Appleはあくまでも腕はキーボードから水平方向にしか動かさせない。腕を持ち上げるような動作は避けるという、ジョブズの教え(というより、Appleで長年行われてきたユーザーテストの結果)をTouch Barにより守った。Microsoftもそれが現実だということを理解したうえで別のアプローチを取った。クリエイティブにあったほうがよい、タッチスクリーンによる細かい操作を補助するツールとしてAppleはTouch Barのアプリケーション別対応を、MicrosoftはSurface Dialにより同様の対応を行なう。
だが、いずれもキーとなるのはサードパーティの対応だ。プロダクティビティならMicrosoft Office、クリエイティビティならAdobe CC。このどちらが欠けても無意味だ。Appleはどちらも準備万端。MicrosoftはOfficeは自前だから当然として、Adobe CCへの対応は、少なくともSurface Dialについてはまだ発表されていない。対応表明されているアプリにメジャーなものはまだ少ない。
そのAdobeの年次カンファレンスAdobe MAXが10月31日から11月4日まで、カリフォルニア州サンディエゴで開催される。MicrosoftとAppleが発表したばかりの、クリエイターたちが歓喜しそうなデスクトップ、ノートPCのデモをここで行うためにこの日程にしたのではと想像したくなるタイミング。
来週は現地に行った記者からの充実したレポートが期待できそうだ。
このように、クリエイティブな人には朗報だった今回の発表だが、MacBook ProがTouch BarになるとハードウェアEscapeキーが失われてしまう。これで一部のソフトウェアエンジニアは阿鼻叫喚の様子だ。Emacs派は問題なしだが、EscapeキーがないとどうしようもないVimmerは反乱を起こしそうである(ターミナルモードではちゃんと左端に表示されるのだが)。
こちらの行方も楽しみだ。
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