人の肌をCGで表現するには、実在の人物を3Dスキャンし、読み取った肌の画像を骨格に貼り付けていく――という手法が一般的だが、よりCGらしくない質感を目指し、ペイントソフトを使って“手描き”した。時間をかけ、皮膚のきめ、ほくろ、唇の色、目の光彩など、細かい部分にまで注意を払ったという。
「自分の手で描くとなると、肌の1つ1つの要素を知らないといけない。途中『まだ何が足りないか』を考えながら描いていったので、私たち以外の人が見ても、違和感がない見た目に近づいたのでは」(晃之さん)。
そうしたSayaの見た目に、ネット上では「不気味の谷を超えた」などの声が上がっているが、友香さんは「うれしい反面、悩ましい」と話す。「もともと不気味の谷はロボット工学の言葉で、人間に近しいロボットとコミュニケーションを取ったときに感じる違和感のこと。Sayaに関しては、まだコミュニケーションを取る段階に達しておらず、見た目の意味だけで使われている。その難しさを理解している以上、ロボット工学の人たちに申し訳ない」(友香さん)
「Sayaはまだ実験段階。完成度は40%くらい」。TELYUKAの2人は、現時点でのSayaをそう評価する。開発当初は「静止画で成り立つこと」をひとまずの目標にしていたが、今年は「顔を動かす」を目標に作業を進めている。
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