だがその後、Twitterに投稿するやいなや「実写にしか見えない」「“不気味の谷”(ロボットやCGを人間に似せようとする際、ある段階で人が強い不快感を抱く現象)を完全に超えた」などと大きな話題に。「日頃の活動内容をアピールするものだったが、思わぬ反響に驚いた」と友香さんは振り返る。
Sayaの特徴は、モデルとなった特定の人物が存在しないことだ。ハリウッド俳優など、実在の人物をモデルに精巧なCGを作るケースは珍しくないが、日常生活で見かける機会が少ない有名人ではなく、「どこかで見たことがあるような、より身近に感じるキャラクターを作りたかった」(友香さん)という。
日本人を題材に選んだのは「CG制作の難易度が高く、挑戦しがいがあるから」。彫りが深い欧米系の顔に対し、日本人などアジア系の顔は平面的で凹凸が少なく、比較的作りにくいという。その上で「キラキラしていた、思い出深い時期を再現したい」(友香さん)との思いから、17歳ぐらいの女子高生をテーマに決めた。
「海外の映画やアニメを見ると、日本人のキャラは、目が極端に釣り上がっていたり、『サムライ』『ハラキリ』などの言葉と結び付けられたりしている。そんな間違ったイメージを払しょくし、『日本人の女の子はかわいい』という文化を発信したかった」(友香さん)
特定のモデルが存在しないため、制作はSayaのキャラクターイメージを固めるところからスタート。「優しく正義感が強い」「クラスに1人はいそうな女の子」などの“理想のSaya像”を2人の間で共有しつつ、街中で本物の女の子を観察したり、サンプルの写真を見たりして造形したという。「架空の人物を作るのは、答えがなく難しい。全部で300パターンくらいは作ったのでは」(友香さん)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR