Sayaの“動画化”には、東映デジタルセンター ツークン研究所と、映像制作を手掛けるロゴスコープが協力。実際の女性の動きをキャプチャーしたデータを基に、SayaのCGを再設計している。「従来のSayaのまま、目や口元などを細かく動かすとなると、顔つきに違和感が出てしまう。動かしてみて『やっぱりダメだ』となって、顔の造形を見直す――という作業を繰り返している」(晃之さん)。
そんなSayaを実用化しようとする動きもある。TELYUKAと共同研究を進める慶応義塾大学の杉浦一徳准教授は、Sayaを「デジタルサイネージ」(電子看板)に活用したいと話す。
デジタルサイネージは現状、事前に準備した画像・映像素材を映し出すだけのものが多い。一方、Sayaとソフトウェアを組み合わせれば、通行人や周囲の雰囲気に応じてリアクションさせるなど「一方通行にならない、人間味のあるサイネージを実現できるのでは」と杉浦准教授は期待を寄せる。
「VR(仮想現実)が流行り始めているが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着するスタイルでは、他人と体験を共有できず“個人主義”を抜け出せない。デジタルサイネージのような大型のディスプレイとSayaを組み合わせた取り組みができないか、試行錯誤している」(杉浦准教授)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR