Google日本法人が2月3日、日本語検索のアルゴリズムを変更したと発表した。内容の薄い記事を大量に掲載するキュレーションメディアについて、検索にヒットしにくくしたようだ。Googleが日本語の検索アルゴリズムの変更について発表するのは極めて異例。「WELQ」騒動に端を発したキュレーションメディア問題に、Googleがついに本腰を入れて対策し始めた。
今回アルゴリズム変更の狙いや影響を、SEO(検索エンジン最適化)専門家の辻正浩さんに聞いた。
Googleの発表によると、今回の変更により、検索上位に表示されることのみを重視し、記事の内容や質が低いサイトの検索順位は低下。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、上位に表示されるようになる――という。
辻さんによるとこの変更は、「アルゴリズムで抽出された特定サイトの一部ページだけに影響する」という。アルゴリズムの対象になった場合「ページ自体の評価が下がる処理が行われ、結果的に多くの人の目には触れないようになる」という。
辻さんが確認した限り、アルゴリズム変更の影響を受けたとみられるサイトは、旅行を扱う「RETRIP」、商品情報の「KAUMO」、健康情報の「カラダノート」、育児情報の「マーミー」など。「情報が薄いキュレーションメディアとテキストを中心とした新興メディアをターゲットにしていることはほぼ確実」とみている。
辻さんの調査によると、現時点で影響を受けたみられるサイトは以下の通り。
アルゴリズムが適用されたのは2月2日〜3日とみられ、「まだ影響は出きっていない可能性が高い」とも。Googleはアルゴリズム変更後、精度を調整して対象サイトを広げるケースが多いため、「今後、対象サイトが更に広がる可能性は高いのではないか」とみている。
今回、「NAVERまとめ」は影響を受けていないという。ただ、「NAVERまとめ検索順位は2015年5月に一気に落ち、その後も、全体的に見ると徐々に落ち続けている」と辻さんは話している。
昨年末、ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーションメデイア「WELQ」が、「検索上位に表示されるのに、間違った情報や他サイトからの無断転載が多い」などを批判を浴び、閉鎖に追い込まれた。
ただ、同様なキュレーションメディアはベンチャー企業などによって多数運営されており、検索上位に出続ける状態だった。これらのサイトを検索上位に出し続けるGoogleへの批判も根強かったが、Googleは今回のアルゴリズム変更で、一気に網をかける構えのようだ。
辻さんによると、Googleが日本発で検索アルゴリズムに関する発表をすることは「非常にレア」。日本のキュレーションメディアを問題視し、本腰で取り組もうとしている現れだと指摘する。
「WELQを発端に始まったWebサイトの信頼性の問題に対するGoogle日本法人の第1弾の対応として非常に素晴らしい、意義あることだと考える」と辻さんは話している。
NAVERまとめについて追記しました。
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