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「Build 2017」2日目基調講演まとめ「Windows 10」と「MR」が中心

» 2017年05月12日 08時27分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Microsoftが米ワシントン州シアトルで開催の年次開発者会議「Build 2017」の5月11日(現地時間)の2日目の基調講演で発表された主なトピックを時系列で紹介する。主に「Windows 10」と「複合現実(MR)」が中心。約2時間にわたる基調講演の録画はMicrosoftのサイトで視聴できる。

 最初に登壇したのはWindows & Devices担当上級副社長のテリー・マイヤーソン氏。

 build 1 テリー・マイヤーソン氏

 講演全体で、「Windows 10」の次期アップデート、「Windows Store」について、開発者向けの新しいツールについて説明すると語った。

 build 2 基調講演の3つのテーマ

次期Windowsアップデートは「Fall Creators Update」

 同氏はまず、9月に予定している次期アップデートを「Fall Creators Update」として紹介した。

 build 3 次期アップデートの名称は「Fall Creators Update」に

Windows 10の新機能「Story Remix」

 このアップデートの大きな新機能である「Story Remix」のデモが行われた。「Googleフォト」やAppleの「写真」のようにクラウド上に保存した画像や動画を編集してアルバムのようにまとめられるツールだ。

 人工知能(AI)を採用した高度な検索、シームレスな共有機能、映像内のオブジェクトに手書き文字やオブジェクトを連動させる機能などが紹介された。

 デモでは、サッカーの試合の動画で、ボールにオンライン上の火の玉のオブジェクトと爆発効果を連係させ、選手がキックしたボールが火の玉になってゴールに入り、爆発するエフェクトを簡単に追加してみせた。

 build 4 Story Remixの編集ページ

「Windows Graph」で様々な操作をiOSやAndroidを含むマルチ端末でシームレスに

 次に登壇したのは「Windows Phone」で活躍したOSグループ担当副社長のジョー・ベルフィオーレ氏。

 build 5 “グラファイトゴールド”に髪を染めたジョー・ベルフィオーレ氏

 「Fluent Design System」と「Microsoft Graph」を紹介した(別記事)。

 build 6 「Fluent Design System」と「Microsoft Graph」

 Fluent Design Systemは、Googleの「マテリアルデザイン」のような、設計思想のようだ。「Light」「Depth」「Motion」「Material」「Scale」の5つのエレメントで構成されるという(別記事)。

 Microsoft Graphは1人のユーザーが複数の端末で行う様々なアクティビティをシームレスにしようという取り組み。

 そのために、「OneDrive Files On-Demand」機能を追加し、1つの端末に保存したファイルを他の端末でも開いたり、アクティビティ全体を時系列に確認できるようにする。

 「Windows Timeline」は、アクティビティ全体を時系列に確認する機能。Windows端末だけでなく、iOSおよびAndroid端末もMicrosoft Graph内に取り込み、すべての端末でのアクティビティをTimelineで表示できる。

 build 7 「Windows Timeline」

 また、「Cloud-powered Clipboard」で、例えばPCのPowerPointで表示したレストランの名前をiPhoneの「マップ」の検索枠にペーストするといったことが可能になる。

 build 8 「Cloud-powered Clipboard」

 ベルフィオーレ氏は開発者に、アプリをMicrosoft Graph対応させるよう呼び掛けた。

「Project Rome」がiOS対応に

 次に登場したProject Romeアーキテクトのアボラデ・ガデジシン氏は開発者向けツール全般について説明した。

 昨年発表した「.NET Standard」がバージョン2.0になってユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)に対応し、「XAML Standard 1.0」でクロスプラットフォームでの開発が簡易化される。「Project Rome」のiOS向けSDKも発表された。

 build 9 「.NET Standard」が2.0になり、「XAML Standard 1.0」が追加された

Windows Storeに「iTunes」「SAP」「Ubuntu」など追加

 マイヤーソン氏が再登場し、Windows Storeの新機能について紹介した。Windows 10 Sは発表以来、エンタープライズからの関心も高いという。教育機関向けとして紹介した「Windows 10 S」の特徴の1つはインストールできるのがWindows Storeで公開されているUWPだけという点だ。

 マイヤーソン氏は、米Appleの「iTunes」のUWPアプリがWindows Storeに登場すると語った(別記事)。これで、「Apple Music」をWindows 10端末で利用できる。

 build 10 Windows Storeに「iTunes」登場

 「SAP Digital Boardroom」「Ubuntu」「SUSE」もWindows Storeから入手できるようになる。

399ドルのAcer製MRヘッドセット、コントローラー付きでホリデーシーズンに発売

 2日目の基調講演の最後を飾ったのは、昨年のBuildで開発者版HoloLensの発売を発表したテクニカルフェローのアレックス・キップマン氏。HoloLensの普及について語り、9月には中国でも発売すると語った。

 build 11 アレックス・キップマン氏

 HoloLensやサードパーティー製MRヘッドセット(後述)で使えるモーションコントローラーを発表した(別記事)。ヘッドセットに既に内蔵されているセンサーと連係する。

 build 11 HoloLensのMotion Controller

 ホリデーシーズンにはサードパーティー製のMRヘッドセットが多数発売されると予告した。Acerの製品はモーションコントローラー付きで399ドル(約4万5000円)で発売の見込み(別記事)。開発者は同日から予約できる。

 build 12 Acerのヘッドセット

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