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マストドンが「流行らなくていい」理由 マストドン会議3レポート その2マストドンつまみ食い日記

» 2017年06月11日 22時40分 公開
[松尾公也ITmedia]

 オイゲン・ロチコさん出演後のマストドン会議3後半。

 レギュラー化したUEI清水亮社長、今回のテーマはマストドン会議2で自ら予告したWebクライアントNaumanni(ナウマン)の新機能。ここ数日の「ギガが減る」「記事広告のタイトルにPRを入れるか入れないか問題」に関する自らの炎上ネタを織り込んで笑いを取りながら紹介していった。

photo クソリプフィルターについて語るUEI清水社長
photo わかっていてもなかなかできない炎上時のベストプラクティス

 Naumanniの新機能はタイムラインに流れてくるトゥートを独自開発した深層言語解析技術によりスコア化、そのクソリプ度によりフィルターで除外するかどうかを決定するというもの。デモでは清水さんは自らの発言を数値化してみせた。

photo 自らの発言のクソリプ度を判定

 TwitterやFacebookなどで実装されている、OGPによる記事のタイムライン内プレビュー機能も組み込んだ。「記事広告かどうかを事前に判別できて論争が1つ減るかな」と清水さん。PR表記がない記事広告にも対応できるようにするという。

 DM(ダイレクトメッセージ)に公開鍵による暗号化を追加する機能もデモした。暗号化のオーバーヘッドのため500文字のうち使える文字は100文字程度になる。

マストドンは流行らなくてもいい

 UEIに持ち込まれる、マストドンのサーバを立てたいという相談で毎回聞かれる質問が、「マストドンは流行るんですか、流行らないんですか?」だと清水さんは話す。

photo 企業とマストドンの関係

 これに対する回答は「流行っても流行らなくてもどっちでもいい。あなたのお客さんが使っていればそれでいい」。

 マストドンを使うメリットの1つに、情報収集と分析のためのツールとして使えることを挙げる。既存のSNSならばそのために莫大な上納金を貢ぐことになるが、自分で立てたマストドンではそれが不要だ。「IT革命」によって奪われた顧客接点を自分たちのところに取り戻せる、とマストドンを企業が利用していくための具体案を列挙していった。

 これは、SNSをユーザーの元に取り戻すというオイゲン・ロチコさんのメッセージに呼応するもので、マストドンの本質を突く興味深い分析だった。

 次回は3つのユニークなインスタンスによる座談会を紹介する予定。

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