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藤井太洋さんの小説「巨象の肩に乗って」が描くちょっと先のマストドンマストドンつまみ食い日記

» 2017年07月25日 22時41分 公開
[松尾公也ITmedia]

 お一人様インスタンスを構築・運営していることでも知られるSF作家・藤井太洋さんの新作中編「巨象の肩に乗って」が発売中の月刊文芸誌「小説現代」8月号に掲載されている。

photo 「小説現代」8月号

 Twitterへの不信感を動機にオイゲン・ロチコさんが生み出したオープンソースソフト「マストドン」(Mastodon)。この小説はTwitterが中国進出したというニュースに始まり、「Twitterやマストドン、オイゲン・ロチコ氏、GitHub、そしてフォーク、コミット、マージ、PRなどの単語がそのまま登場します」と藤井太洋さん自身がトゥートしているように、マストドンをめぐるオープンソースソフトウェア開発が軸となる。おそらく世界初のマストドン(SNS)小説だ。ディテールから大きな流れまで、いちいち納得できるもので「これは予言の書か」と思うレベル。

 「巨人の肩に乗って」は12世紀に生まれた言葉だが、オープンソースソフトウェアの思想を体現するものとも言われている。それを「巨象」、つまりマストドンに置き換えたタイトル。藤井太洋さんはこの小説の導入部分をこうトゥートしている。

2020年、利潤を求めるTwitterの新経営陣は中国進出を果たした。ニュースを聞いた主人公の文椎(フヅイ)は、数年前に設置していたマストドンのダイレクトメッセージを暗号化しようと思いたつ……

 この小説は、オイゲン・ロチコ、エヴァン・ウィリアムズとビズ・ストーンに英訳版を読んでもらいたい。そして、UEIの清水亮さんはすぐに買って読むように。

 残りの人もぜひ。ぼくはまた読む。

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