ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

VAIO Phoneは「悩み」、新PCは「近いうち」――VAIO新社長語る

» 2017年08月01日 19時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 VAIOは8月1日、同社のPC事業戦略として「中国市場への参入」を発表した。中国市場には、中国のeコマースサイト「JD.COM」(京東商城)のWeb上の販路で「VAIO Z」のクラムシェルモデルと「VAIO S13」を投入していく。詳細は8月8日に現地イベントで発表するという。

“かっこいい”“気持ちいい”PCを作る 近いうちに披露か

 PCの事業戦略について、「法人向けのPC販売を倍増させていく」とする。その上で、VAIO PCのブランドイメージ調査を実施し、VAIOの長所や短所を分析した。その結果、「かっこいいデザインである」「美しさと使いやすさが高い次元で両立している」「所有の満足を感じるブランドである」が他社PCに比べてポイントが高く、「ビジネスマンのためのPC」「仕事で使う上での必要条件を満たしている」「信頼性が高く安心して使える」が他社PCよりもポイントが低いことが分かった。

VAIOのPCのブランドイメージ調査を実施し、VAIOの長所や短所を分析した

 この分析を受けて、「弱いところを強め、強いところはさらに強く、必要条件を満たした“かっこいい”“気持ちいい”PC」を作っていくとしている。

 また、吉田社長は「そういったPCの新モデルを近いうちにお見せできるはず」とも語った。

中国にはまずハイエンドモデルを投入

中国にまず投入するという「VAIO Z」のクラムシェルモデルと「VAIO S13」

 中国進出は、VAIOブランドを世界へ認知させるために重要だと吉田社長はいう。初年度はハイエンドモデルを数万台規模で投入し、国内工場での最終品質チェック「安曇野FINISH」など品質の高さを売りにしていくとする。

 VAIO S13を中国で生産後に日本の安曇野工場で仕上げ、もう一度中国に発送することについて非効率ではないかという指摘が記者から上がったが、「数万台規模ならそのステップでいいと思うが、10万台ということになってきたらその時はオンサイト(現地対応)で安曇野FINISHを行える体制にするなど、柔軟に考えなければいけない」と答えた。

VAIO Phoneは?

 また、発表の中で触れなかった「VAIO Phone」については、「これからどのようにこの事業を伸ばしていくか、継続していくかについては悩みがある」と打ち明けた。その上で「これからのモバイル向けVRや、あるいは常時接続型のPCなどに応用できる可能性はあるかもしれないが、今はこの製品の形をフォローしていく」とした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.