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13型クラスのモバイルノートPCでは性能、機能、携帯性のバランスが非常に高いレベルで取れている「VAIO Z」。いつでもどこでも持ち運んで使っていますが、とても快適で「ここまで高いパフォーマンスのWindowsノートPCであれば、デスクトップPC代わりにメインマシンとして使えないか?」ということを考えたくなります。
というわけで、周辺機器をいろいろと集めて、VAIO Zの本格的なデスクトップ化計画を発動しました。
PCの主流がデスクトップからノートに移行して久しく、昨今はタブレットとノートを兼ねた2in1といった新スタイルの製品も増えつつありますが、デスクトップならではのパワフルな作業環境が手放せないユーザーは多いことでしょう。特に大画面のディスプレイを複数枚用意してマルチディスプレイで使うことの便利さは、一度味わったらなかなか元に戻れないほどです。
もちろん最近のノートPCには映像出力端子があるので、マルチディスプレイ環境を手軽に構築できます。VAIO ZについてもHDMI出力があるので、外部ディスプレイとの接続はケーブル1本で映像と音声を伝送することが可能です。
しかし、VAIO Zはレガシーポートを意図的に省いた設計なので、アナログRGB(D-Sub)出力や有線LAN端子がありません。USBポートも2つだけなので、このままだと接続できる機器が限られます。そこでUSBハブなどをつないで増設していくわけですが、たこ足配線みたいでかなりカオスな状況になってしまいます。
そこで、周辺機器の接続を集約して配線のゴチャゴチャを解消できるツールとして、サンワサプライのUSB 3.0ドッキングステーション「USB-CVDK1」を用意しました。
VAIO ZとUSB-CVDK1をUSBケーブル1本で接続しておけば、液晶ディスプレイはもちろん、有線LANからマウスやキーボード、外付けHDDといった周辺機器をドッサリとつなぐことができます。しかも、自宅ではデスクトップ環境で使っていたとして、いざ持ち出したいときには、USBケーブル1本だけで着脱できるという手軽さがあります。
ただし、USB 3.0の転送速度は5Gbpsなので、映像、音声、有線LAN、そして複数のUSBポートの信号まで1本のUSBケーブルにまとめてドッキングステーションと通信するのは少々荷が重いことも事実です。
普通に使うぶんには問題ないのですが、例えばUSB-CVDK1にディスプレイを外付けすると、HDCP非対応で著作権保護された市販のBlu-ray Disc再生などができなかったり、ミラーリング(複製)表示で動画再生ができなかったり、DirectXやOpenGLなどのAPIに対応していなかったり、といった制限も出てきます。
配線は少し手間がかかりますが、外付けディスプレイはVAIO Z本体のHDMIでつないだほうが、パフォーマンスが出ますし、こうした制限もないので安心です。
なお、最近は新世代のインタフェースであるUSB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3も登場していて、Thunderbolt 3ならば最大40Gbpsと非常に高速な転送速度を実現(USB 3.1 Gen 2は最大10Gbps)できます。実際、Thunderbolt 3接続の高速なドッキングステーションもチラホラ出始めているので、こうした点はVAIO Zの次世代モデルに期待したいです。
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