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アイドルが耳元でささやくVR「透明少女」に思わず赤面 シャンプーの香りも漂う東京ゲームショウ2017

» 2017年09月21日 16時46分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「ねえ、どっちが好きなの?」――甘い言葉を耳元で2人の女性がつぶやく。シャンプーや香水の香りを漂わせながら……。そんな体験ができるVR(仮想現実)コンテンツ「透明少女」が、東京ゲームショウ2017(千葉・幕張メッセ、9月21〜24日)に出展されている。にやにやしながら記者が体験してみた。

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 「嗅覚系デバイス」を開発するベンチャー企業のVAQSO、映像制作会社のシータが共同開発した。香りを出せるデバイス「VAQSO VR」を取り付けたヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Oculus Rift」と、ヘッドフォンを装着。すると、VR空間にアイドルグループ「アイドルカレッジ」の2人(石塚汐花さん、伊豆原ももさん)が現れる。

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 VR映像は、ユーザーが伊豆原さんと仲良くしていると、石塚さんが焼きもちを焼いて迫って来るという内容。ユーザーに2人が近づくと、声が大きくなったり、シャンプーや香水など“女の子らしい”香りが強くなったりと、目の前にアイドルがいるかのような雰囲気を味わえる。2人が耳元に顔を近付け、左右から「どっちが好きなの?」「私だよね?」と2人のささやきが聞こえる一幕もあり、記者は思わず赤面してしまった。

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 そんなリアルな映像は、左右の目に相当する2台のカメラを使って撮影し、立体的に見えるように1つの映像に統合。音声は、人が音を認知するのと同条件で録音する「バイノーラル録音」を採用した。

きっかけは“距離を感じた”握手会

 「アイドルの握手会に行くとファンがスタッフに制されながら、物理的な仕切りを挟んで握手している」――シータの鈴木雅彦CEOは、そんな光景が開発のきっかけと話す。「VR空間なら、あのパーソナルスペースを全て取っ払える」

 今回の取り組みは、アイドルとの触れ合い以外にも、企業内のOJT(On the Job Training)や医療現場などに応用を見込む。例えば、うつ病の患者が職場復帰する前に、VRで職場の風景や匂いを体験し、ストレスを軽減していくというような利用シーンを想定しているという。「五感のうち“三感”を奪うと、物理刺激の95%ほどを覆ってしまえる。その点をデバイス開発にうまく生かせれば」と鈴木CEOは話した。

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