東京商工リサーチによると、通信事業などを展開していたYOZAN(旧「鷹山」)が9月20日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は2007年末時点で約143億円。今回、債権者から破産を申し立てられ、破産開始が決まったという。
公式サイトは残っている
第3世代携帯電話向けのデバイス開発などを手掛けた後、00年12月にJASDAQに上場。01年から02年にかけ、ポケットベル事業(東京テレメッセージ)やPHS事業(東京電話アステル)を買収するなどし、通信事業に参入した。
05年には国内初のWiMAX商用サービスを始めたがトラブルが相次ぎ、08年にWiMAX事業の継続を断念。PHS事業の赤字やWiMAX事業資産の減損損失の計上などで100億円以上の債務超過に陥り、08年3月期の有価証券報告書を期限内に提出できなかったため、08年8月に上場廃止していた。
- YOZAN、上場廃止 有報未提出で
JASDAQはYOZANの株式を9月1日付けで上場廃止にする。有価証券報告書が、JASDAQの上場廃止基準の期限までに提出されなかったため。
- YOZAN、WiMAXから撤退
YOZANがWiMAX事業から撤退を正式に決めた。国内初の商用サービスを開始したものの、機器にトラブルが相次ぐなどして会員が増えず、07年度の売上高は300万円にとどまっていた。
- WiMAX+無線LANでユビキタス社会実現の一翼を担う──YOZAN
日本で初めてWiMAXを利用した商用サービスを開始したことで話題をさらったYOZAN。同社はWiMAX+無線LANという組み合わせで、どこからでもアクセスできる無線のIPネットワークを作ろうとしている。
- YOZANのWiMAX戦略をひもとくと?
「コンシューマ向け事業をやり抜く体力はない」。YOZANの高取社長が講演で、WiMAX事業の概要を話した。VNO向けのプラットフォームベンダーに徹するという。
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