ヤマハ発動機は、人工知能(AI)を搭載する二輪車のコンセプトモデル「MOTOROiD」を、東京モーターショー2017(一般公開は10月27日から、東京ビッグサイト)に出展している。オーナーの声やジェスチャーに反応し、静止・低速走行時はバランスを保って自立する。ライダーが操縦しやすいように座席が変形する機構も採用した。
前方に搭載したカメラでオーナーの顔を認識し、「Stand Up.」と呼び掛けると補助スタンドを畳んでタイヤだけで自立する。「MOTOROiD,come on.」の合図でオーナーのいる場所までゆっくりと移動する。ボディーサイズは2060(全長)×600(全幅)×1090(全高)ミリ、重量は213キロ。
オーナーが乗ると、側面にある羽のようなパーツ(フラップ)が変形して体にフィット。加速するとフラップが体を締め付けて「バイクとの一体感」を演出し、カーブを曲がる際は体重移動をサポートするという。
同社の川島雅也さん(技術企画統括部 デジタルエンジニアリング部)は「よく『(バイクは)しゃべらないんですか?』と質問を受けるが、『右へ曲がります』のように言葉でライダーに注意を促しても直感的ではない。体に直接“教える”インタフェースを採用した」と話す。「言葉を使わず、ライダーとコミュニケーションするバイクを目指す」
MOTOROiDはあくまで実験機の位置付けで、現段階では市場投入の予定はないが、「(来場者などの)反応を見ながら検討する」という。
「まるで生きているようなインタラクション(相互作用)機能を持つ。こうしたチャレンジに取り組みながら、新しい価値を生み出す技術の獲得を目指す」(同社)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR