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「夢のエンジン」実用化へ マツダが2台のコンセプトカーを世界初公開東京モーターショー2017

» 2017年10月25日 17時41分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 マツダは10月25日、「東京モーターショー2017」(25〜26日はプレスデー、27日から一般公開)に世界初披露のコンセプトカー2台を展示した。次世代のガソリンエンジンを搭載した「マツダ 魁(かい) CONCEPT」と、同社のデザイン哲学「魂動」(こどう)を次のステップに“深化”させたという「マツダ VISION COUPE」だ。

「マツダ 魁(かい) CONCEPT」

 マツダ 魁 CONCEPTは、コンパクトハッチバックスタイルのコンセプトカー。次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」と次世代プラットフォーム「SKYACTIV-Vehicle Architecture」を採用し、動力性能や乗り心地、静粛性、そして車体フォルムに至るまで、マツダが目指す次世代のクルマ作りを体現したという。

SKYACTIV-X

 SKYACTIV-Xは、ガソリンエンジンでありながらディーゼルのような圧縮着火を実現した新しい内燃機関だ。独自の燃焼方式「SPCCI」(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)により、通常の火花点火では失火してしまうレベルまで燃料を希薄化した状態でのスーパーリーンバーン燃焼を可能にした。これによりエンジン単体での燃費が最大20〜30%向上したほか、現行SKYACTIVEに比べて最大30%のトルクアップと高いレスポンスを実現するという。これまでは背反関係にあった“燃費”と“走り”を高い次元で両立させる「夢のエンジン」(マツダの小飼雅道社長兼CEO)だ。

現行SKYACTIVEに比べて最大30%のトルクアップを実現

 「SKYACTIV-Xは、ガソリンエンジンの伸びの良さ、ディーゼルエンジンの優れた燃費、トルク、初期レスポンスといった双方の利点を融合させた夢のエンジン。優れた環境性能と動力性能により、マツダが目指す“人馬一体”の走りをフルサポートする」(小飼社長)

 一方のVISION COUPEは、“魂動デザインの深化”を表現したというデザインビジョンモデル。シンプルながらもスピード感あふれるフォルムは「日本特有の美意識を表現した」(小飼社長)という。

VISION COUPE

 マツダは8月、2030年を見据えた技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を公表。世界的にはEVなど電動化技術の重要性が増し、逆にCO2を排出する内燃機関への風当たりも強くなってきたが、同社は電動化技術と内燃機関を適材適所で展開するマルチソリューションを選択した。電動化だけでは解決できない、車の本質的な価値を重視したためだ。「“走る歓び”。クルマの持つ魅力で人々を元気にしたい」(小飼社長)

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