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ダイソン、17年度も40%成長 直営店が販売を牽引

» 2018年03月06日 19時21分 公開
[ITmedia]

 英国Dyson(ダイソン)が3月6日、2017年度の業績を発表した。売上高は前年比40%増の35億ポンド(約5110億円)で、利益(EBITDA)は同27%増の8億100万ポンド(約1183億円)。アジア地域における成長が顕著だった他、直営店が販売をけん引した。

 地域別に見ると、アジア地域が73%成長。欧州(21%)や南北アメリカ(19%)に比べ顕著だった。中国と香港では同社のLED照明の販売が大きく伸張。空調機器も「上海は世界で最も多くのダイソン空調家電がある都市になった」という。

 販売面を牽引したのは全世界19カ所にある直営店舗だ。ダイソンの直営店は、東京の表参道をはじめ、ロンドンのオックスフォード・ストリート、ニューヨークの5番街、サンフランシスコのユニオンスクエアといった著名な街にあるが、2017年には全世界で9店舗の「Dyson Demo」がオープンし、総収益の25%を占めるまでに成長した。「消費者は性能をしっかりと理解できる店頭体験を求めている」(同社)

直営店では専任スタッフのサポートのもとダイソン製品を試すことができる(写真は15年の『Dyson 表参道』オープン時の様子)

 一方でB2B部門も17年度は販売数量で25%成長を果たすなど好調だった。従来はハンドドライヤーの「Airblade」(エアブレード)が商材の中心だったが、最近はLED照明や空気清浄機能付き扇風機、掃除機、そしてヘアドライヤーの「Supersonic」も販売。教育機関や医療機関で羽根のない扇風機や空気清浄機能付き扇風機が導入されている他、ヘアドライヤーに関してはロンドン「クラリッジス」やパリの「ル ロイヤル モンソー ラッフルズ」といった世界有数の高級ホテルで客室に設置するケースが増えたという。

高級ホテルの客室に設置されるケースが増えたヘアドライヤー「Supersonic」

 研究開発では25億ポンド(約3650億円)に及ぶ長期的な投資プログラムを継続中。英国、シンガポール、中国にある研究拠点でモーターや電力システム、ロボット工学、AI、機械学習など幅広い技術開発に取り組んでいる。新規参入を予告したEVなどで重要になるバッテリー(個体電池技術)の開発に取り組むエンジニアと研究者は過去1年で2倍に増え、投資額も過去3年間で2倍以上に増えた。「抜本的な解決方法が求められる現在のエネルギー貯蔵システムの問題解決に取り組んでいることを示す」(同社)。このほか、18年度にはコードレス掃除機に新技術を導入したモーターを採用することを明らかにしている。

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