2007年12月に創設された「Siri」社をAppleが2010年4月28日に買収し、2011年10月4日にiPhone 4Sに「Siri」が搭載されると発表してからの7年間、元Appleのスタッフ12名へのインタビューなどを元にしたSiri開発ヒストリー「The Seven-Year Itch: How Apple’s Marriage to Siri Turned Sour」をThe Informationが掲載している。
Apple MapsやSiriチームを率いていた元AppleのiOSプラットフォームサービス担当シニアディレクターのロバート・ウィリアムソン氏は、iPhone 4Sに搭載されると、予想を大きく上回るアクセスがあった。買収した元Siriチームに問題はなかったが、Appleのソフトウェア開発チームとサーバのインフラ開発チームのレベルが低く、バックグラウンドでの処理が追いつかないばかりか、深刻なバグが多く累積されていた状態だったと語っている。
また、サードパーティにSiriを利用してもらい、Siriの機能を向上させるために「SiriKit」を準備したところ、Siriのオリジナルのソフトウェアは非常に脆弱で柔軟性がないという理由で、Siriチームは抵抗したという。
Siri開発には、多くのマネジャーが関わり、自然言語と検索部門との間に紛争が起きるなど、様々な社内開発紛争に悩まされてきたそうだ。
Appleは、2013年にTwitter検索・分析サービス企業「Topsy」を買収し、TopsyのエンジニアによってSiriシステムにパッチは当てられたものの、インフラシステムが不十分だったことから、システムを完全に置き換えることは出来なかったという。
2015年にSiriを大幅に上回る音声認識アシスタント技術を持っていた「VocalIQ」を買収し、VocalIQ CEOだったブレイズ・トムソン氏などのスタッフが持つ技術力を上手く活用したことで、Siriのカレンダーリクエストなど多くのSiri機能が向上したという。
元Appleスタッフは「Appleはサービス会社として再構築しようとしているが、そのコアはまだ製品設計である」と語ったとされている。
このレポート中で、MACお宝鑑定団が以前伝えた、HomePodはもともとiPhone用据置スピーカーとして開発され、後からSiriを内蔵することになったという点も触れられており、2人のSiri開発スタッフの証言として、2015年までにHomePod開発チームとSiriチームと会ったことはなかったと話したと掲載されている。
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