「これまでAIを活用してお客さまに寄り添ったサービスを展開してきたが、今後も“AIによるおもてなし”を強化していく」――NTTレゾナントの若井昌宏社長は、4月19日に開催した記者発表会でこう話した。同社はこれまで恋愛相談に答えるAIエージェント「教えて!goo 恋愛相談 オシエル」や、テレビドラマ「過保護のカホコ」とコラボしたカホコAIなど、さまざまなAIサービスを提供してきたが、今後もAI事業に注力する考えだ。
コンシューマー向けの展開では、スマートフォンアプリ「gooニュースアプリ」にAIを活用した「インフォグラフ機能」を5月に搭載する。ユーザーが目指す姿と現状を比べ、読むべきニュースを提案する。
AIがユーザーの行動履歴から趣味嗜好を分析して、「好きな芸能人」や「応援したい球団」などのカテゴリーを自動生成し、グラフによって可視化。gooニュース編集部が例として設定した、「就活生」「営業担当」「経営者」など職種やロールモデルに応じたグラフと比較し、不足している情報をAIが判断して届けるという。
「自分が今読むべきニュースのカテゴリーを可視化し、AIが足りない情報を補うことで、目指すべき方向に向けて、より自分を高められる」(同社担当者)
19日発表時点では、上記の3職種のみだが、職種や属性などを順次追加する予定。「これまで、自分の関心があるニュースばかり見て、世界が閉じてしまうという声がユーザーから上がっていた。自分が目指すべき方向性と照らし合わせ、その人自身は気付いていないが必要だと思われる情報を届けられるようにしたい」(同社担当者)
今後は、位置情報とユーザーの嗜好を組み合わせたお店やイベントの情報提供や、ユーザーの属性や時間帯に応じて通知するコンテンツを変えるなど、AIを活用した機能を順次搭載する予定。
19日には、法人向けにAIサービス創出を支援するサービス「goo AI xDesign」を発売。カホコAIのように、顧客企業(カホコの場合は日本テレビ)が持つキャラクター情報やデータを、NTTレゾナントのAIエンジンと組み合わせてキャラクターAIを生み出すという。
同社は、(1)コンサルティングによる顧客の課題抽出・AI活用方針の提示、(2)AIのカスタマイズ、(3)データ作成サポート、AIの学習・チューニング、ユーザー接点を広げるチャネル創出、などを行う。同社がディープラーニングを活用して実現する「自然な対話」も、親しみやすいキャラクターAIを生み出す際には重要という。
同社の三澤淳志スマートナビゲーション事業部長は、「ポータルサイトgooの運営で培った知見、膨大なデータベースや、オシエルで使っているディープラーニング技術などが強み。自前のAIエンジンを使うので、ヒアリングからサービス創出まで一貫して支援できる」と説明した。
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