要は単なる釣り好きなのだが、VRゲームにはリアルの釣りにはない魅力もある。子供の頃からリアルとゲームの釣りを行ったり来たりしていたが、どちらにも独自の楽しみ方があるので、つい両方やってしまうのだ。
前置きが長くなってしまったので、本題であるOculus Goの釣りゲーム「Bait!」(無料)を紹介したい。アプリ配信プラットフォームのOculus Storeでたまたま目に付き、ユーザー評価が高かったのでダウンロードしてみたが、人差し指でトリガーボタンを押しながらコントローラーを振って釣り針を投げ、魚がヒットしたらタッチパッドを押してさおを引くという直感的な操作は非常に分かりやすい。
テキストは全て英語だが、ゲーム内の案内や説明文は短文なのでそこまで難解ではなく、ゲームの進行を妨げない。最悪、英語が分からなくても説明不要で遊べるのが釣りの素晴らしい所だ。
ゲームが始まると、魚がたくさん泳いでいる南の島が目の前に登場する。現実では殺風景な自室に閉じこもっていようとも、ここは明るい太陽が照りつける南の島なのだ。
目の前には、青く透き通った海と、大小さまざまな魚影の群。目の前には釣り針を付けたさおがぶら下がっている。トリガーボタンを押しながらコントローラーを振って釣り針を投げ込む→魚がヒットしたらタッチパッドを押す→魚が抵抗すると糸が切れそうになるのでタッチパッドを時折離したりしながら魚が弱るのを待つ→魚を釣り上げる、これをひたすら繰り返す。
このゲームには「経営難に陥った水族館を救うため、珍しい魚を釣る」という目的があるらしいのだが、これも後から知ったくらいだ。経営の苦しい水族館に働いていることなんてお構いなしに、釣りたい魚を無心で釣っていた。釣り場を移動しながら進めるメインストーリーは数時間ほどでクリアできるが、ただひたすら気に入ったスポットで魚と戯れていた。
誰と競うこともなく、ゲームオーバーになる緊張感で体がこわばることもなく、ホラーゲームのような恐怖におびえることもなく、マイペースに目の前の魚を釣るだけなのは気楽だ。水族館を救いたい気持ちは、一応ある。
Bait!のような釣りゲーム以外にも、Oculus Goでさまざまなゲームを試したが、どれも「楽しい」「面白い」という気持ちにはなれても「夢中かつ無心になれる」という境地には至らなかった。
それにはいくつか理由がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR