シャープは10月25日、同社初のウェアラブルスピーカー「AQUOSサウンドパートナー」(AN-SS1)を発表した。ソニー「SRS-WS1」などと同じ「肩にのせて使うスピーカー」だが、シャープの場合は約88グラムという軽量設計が特徴。その実力を探った。
ソニーが2017年秋にSRS-WS1を発売した際、本連載でも体当たりレビューを掲載した。当時、筆者はAIアシスタントを搭載するスマートスピーカーはどんどんウェアラブルになっていくのだろうなと期待に胸を膨らませていた。あれからAIアシスタントを搭載するプロダクトはヘッドフォン/イヤフォン、テレビにスマートディスプレイへと広がってきたものの、ウェアラブルスピーカーはどうかといえば、大手メーカーではボーズの「SoundWear Companion」と、JBLの「SoundGear/SoundGear BTA」が発売された程度だ。
そもそもソニーのSRS-WS1はテレビのコンパニオンプロダクトという位置付けで、映画やゲームを中心に楽しむことをコンセプトにしている。スマホのAIアシスタントと無理やり接続できないこともないが、有線ケーブルをぶらつかせることになるのでスマートじゃない。
一方でボーズのSoundWearはモバイル機器とのBluetooth接続がメインで、AIアシスタントの呼び出しには素早く反応できるが、テレビと接続するためには別途トランスミッターを用意しなければならない。JBLのSoundGearは、型番にBTAが付く方のモデルがスマホとテレビの両方の用途をカバーするオールラウンダーだが、筆者は本機を以前試してみた時、肩にのせるスピーカーがちょっと固くてウェアラビリティーがあまり良くないと感じた。つまりどの製品も今のところ手放しで「スマートなデバイス」と呼びづらいのである。
結局、筆者は自宅で音楽を“ながら聴き”する時にはもっぱら据え置きタイプのスマートスピーカーを使っているのだが、やはりキッチンで水仕事を始めると手元のノイズがうるさくてスピーカーから音楽が聞こえなくなってしまう。「やっぱり身に着けられた方がいいよね」と考えていたときに、シャープから新しいウェアラブルスピーカーが商品化されるという知らせが届いた。
「サウンドパートナー」と聞いて、どんな製品なのかすぐにイメージが浮かばないミステリアスなところがまたいい。先に挙げたウェアラブルスピーカーも、使い方は三者三様。方向が定まっていないのであれば、いっそシャープがサウンドパートナーという新しいスマート家電のジャンルを作ってもらえないだろうかと期待を寄せたくなる。
とはいえ、実際に役に立たない製品では本末転倒なので、発売前のAQUOSサウンドパートナー「AN-SS1」を体験してみることにした。
シャープは本機を10月16日から幕張メッセで開催されていた「CEATEC JAPAN 2018」のブースで参考展示していた。会場では「テレビのお手元スピーカーみたいなもの」という説明を受けたが、実際にできることは大きく2つあって、そのうちの1つが「テレビの音声を聞く」ことである。
そしてもう1つが「スマホなどモバイル端末との連携」である。テレビもスマホも、AN-SS1との間の接続はBluetoothになるが、それぞれの場合接続方法が若干異なっている。
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