WealthNaviでは、「心理的に陥ってしまうワナを回避するために、どうテクノロジーを活用すべきか」、という観点でさまざまなサービスが用意されている。
例えば、積み立て投資もその一つだ。手持ちのお金を一括で投資する方法に対し、毎月一定額ずつ買い付けていく方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、勧められることが多い。しかし、ドルコスト平均法が本当にリスクを低減しパフォーマンスを向上させるのかについてはいろいろな意見があるのも事実だ。
「ドルコスト平均法を“合理性で”見たときに、得なのか損なのかは神学論争のようだ。しかし実際は人間の行動は合理的ではなく感情に突き動かされる」
人間の感情で見たとき、どちらのほうが長期投資を続けられるかが重要だと柴山氏は説く。一括投資だと元本割れしたときの心理的なダメージが大きく、資産運用を途中でやめてしまう可能性も大きい。だからこそ積み立て投資が有用だということだ。WealthNaviでは、1万円から積立投資が可能になっており、月1回の積み立てだけでなく、月5回までの間で自由に積み立ての設定が可能になっている。
心理的なワナを避ける仕組みは、リバランス機能でも活用されている。
「去年の今頃は株がずっと上がっていました。その頃の個人投資家のデータを見ると、みんな株を買いにいっていた。でも、冷静に考えると株の優先順位を下げてポートフォリオを作ったほうが良かった。誰もが陥ってしまう心理的なワナを、テクノロジーの力を使って解決しようというのが自動リバランス機能です」
現在7種類のETFを組み合わせて、ユーザーごとに最適な資産配分の組み合わせを作って運用するWealthNaviだが、特定の資産が上昇したり下降したりした際には、自動で比率を調整するリバランス機能を提供している。
「理論的には、最適なポートフォリオであり続けるのが良い。極端な話、毎日リバランスすると最適なポートフォリオであり続ける。ところが問題があって、リバランスでは上がったものを売って下がったものを買うので、上がったものを売ったときに税金が発生します。税金の負担まで考えると、かえってパフォーマンスがマイナスになる」
さらに売買の手数料負担もある。こうしたところから経験的なベストプラクティスとして頻度を半年ごとにしたという。「最適なリバランス頻度は、ヨーロッパや米国の機関投資家が相当研究していて、彼らの結論は年1回か2回なんです」
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